Project/Area Number |
04670011
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
臼倉 治郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30143415)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 網膜 / トランスジェニックマウス / 発生 / 分化 / 遺伝子組み換え / 視細胞 |
Research Abstract |
視物質遺伝子プロモーター部分(ロドプシン遺伝子の5'側1000塩基)を切り出し、プラスミッド上でジフテリア毒素A部分の遺伝子(dt-a)の上流にのせる。その後、ロドプシンプロモーターに繋がったままのdt-a遺伝子を取り出し、これを3μg/mlの濃度でCD1マウスの受精卵に注入し、トランスジェニックマウスを作製した。生まれてくるマウスに人工遺伝子が組み込まれていることを確認したうえで、生後0日から6箇月まで網膜視細胞を形態的に調べた。生後0〜3日目の網膜ではトランスジェニックと正常の区別は難しいが、生後5日目から7日目にかけて正常マウス網膜では外網状層が形成されるが、トランスジェニックマウス網膜では十分な形成は行われない。これはマウス網膜視細胞の大半を占める杆体視細胞でこのころよりロドプシンの合成が盛んに行われ、同時に人工遺伝子由来のジフテリア毒の合成も行われるため、杆体視細胞が死に陥るためと考えられる。トランスジェニックマウスの杆体視細胞の多くは外節を形成できずに、生後7〜10日目で半分以上が死んでしまう。一方、錐体視細胞は15日目以降でも正常網膜と同じ頻度で観察される。細胞内微細構造もほぼ正常錐体細胞と同じなのでロドプシンの発現はなかったものと思われる。しかし、やはり外節は形成されない。杆体視細胞は生後20日目以降ではほとんど観察されないが、錐体視細胞は生後3箇月ぐらいまで認められる。しかし、6箇月後にはほとんど観察されない。したがって、錐体がロドプシンを発現しないとすると網膜中での杆体視細胞の欠損が錐体視細胞の欠損を招いたことになり、この二種の細胞間は相互依存性があったことになる。また、視細胞の欠損は最終的には網膜の退化を誘発した。一方、ロドプシプロモーター部を含む5'側1000塩基中には組織、細胞特有性を決める遺伝子が含まれていることが明かとなった。
|