前庭神経核ニューロンに対する縫線核由来セロトニン性抑制機構の解明
Project/Area Number |
04670113
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
笹 征史 広島大学, 医学部, 教授 (20025654)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 前庭神経核 / セロトニン / 5-HT_<1A>レセプター / 8-OHDPAT / 上行性ニューロン / マイクロイオントホレーシス / 単離ニューロン / ホールセル記録 |
Research Abstract |
我々はこれまで前庭核神経外側核(LVN)ニューロンのうち、外転神経核へ上行し、前庭眼反射に関与するニューロンは背側縫線核由来のセロトニン(5‐HT)によって抑制されることを見い出しており、本研究はこの5‐HT性抑制に関与する5‐HTレセプターサブタイプを明らかにし、この抑制を起こすイオンメカニズムを解明することを目的として行った。麻酔ネコにおいて、7極微小ガラス管を張り合わせた微小電極によりLVNニューロン活動を細胞外に記録し、外転神経核を送行性に刺激することによりLVN上行性ニューロンを同定した。薬物はマイクロイオントホレーシス法により記録ニューロン近傍に与えた。前庭神経刺激によって誘発されるLVNニューロンのスパイクは5‐HTおよび5‐HT_<1A>アゴニストの8‐OHDPATによって用量依存性に抑制され、5‐HT_<1B>アゴニストのmCPPによっても若干の抑制が認められた。しかし、5‐HT_2アゴニストのDOIによっては影響を受けなかった。5‐HTおよび8‐OHDPATによる抑制は5‐HT_<1A>アンタゴニストのNAN‐190によって拮抗された。さらに、LVN上行性ニューロンにおいてグルタミン酸による発火亢進は5‐HTおよび8‐OHDPATによって抑制され、mCPPによっては抑制されなかった。これらの抑制もNAN‐190によって拮抗された。次に前庭神経核ニューロンをトリプシンを用いて急性単離を行い、パッチクランプ法により、ホールセル記録を行った。薬物はガラス管ピペットに充填し、圧力により直接記録ニューロンに投与した。単離ニューロンにグルタミン酸を投与した場合、電位依存性に内向電流が得られた。このようなニューロンに対し5‐HTあるいは8‐OHDPATを投与した場合、電位依存性の内向電流が得られ、これはK^+依存性であった。これらのことから前庭核ニューロンは5‐HT_<1A>レセプターを介して抑制を受け、この抑制はK^+チャンネルの活性化によると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)