Project/Area Number |
04670187
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鳥潟 親雄 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70051563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古藤 正男 中外製薬株式会社, 研究開発部, 研究主査
梅田 啓 慶応義塾大学, 医学部(内科学), 助手 (90245473)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 原発性線毛機能不全症 / 疾患モデルラット / ダイニンアーム / 電子顕微鏡観察 |
Research Abstract |
原発性線毛桟能不全症(Immotile-dyskinetic cilia syndrome)は呼吸器系の三大遺伝性疾患の一つとしての地位を確立しつつあるが、〓胞性線維症に比べるとその本態や遺伝的背景等にまだ不明の点が多く残されている。WIC-Hyd♂ラットは顕著な水頭症と内臓逆位症を発症するものがあり、それらの動物の全身の線毛は動いておらず、人のimmotile cilia症候群の疾患モデルとして有用であることは既に報告した(Am.J.Path1991)。この動物系はArmed Forces Institute of Pathology、Washington DC(AFIP)の人の疾患モデル動物の特集(Huid Series Froc.19)にも納められることになっており、世界初の原発性線毛桟能不全症の動物モデルと考えられる。平成4年度中には、極めて稀な♀ラットの重篤水頭症合併例を見い出し、呼吸器線毛を電子顕微鏡的に検察した結果、♂例を同様のdynein armの欠損を認めた。WIC-Hyd系ラットにこの病態を発理させる遺伝子はX遺伝子上に乗っていると予想されているが、この症例は遺伝子の発現を考える上でも貴重な一例と考える。 Dynein armの形態異常を確める目的で気道線毛を急速凍結、ディープエッチング法を用いて観察中である。数nmの極小変化であるがこの方法で異常所見がつかまりつつある(都立老人研、臨床病理部の協力による)。Dynein蛋日質に対する抗体を用いた免液電子顕微鏡観察は、複数の抗体を用いて継続中である。固定法等に改善の余地を残しているが、自信がついてきた。本格的な遺伝子解析は中外製薬株式会社、研究所と協同で近々着手する予定である。 この一年間に、内臓逆位症を伴わない女児症例を見い出し、電子顕微鏡的にも内則dynein armの欠損のあることを確認した。本例は、我々のコレクションの第10例目である。
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