Project/Area Number |
04670198
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
江石 義信 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (70151959)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 免疫トレランス / 胸腺外トレランス / SCIDマウス / 自己免疫疾患 / セルフトレランス / 移植免疫トレランス / 造血幹細胞 / 免疫系発達 |
Research Abstract |
1.SCIDマウスにおいては、CD4/CD8/CD3陽性の成熟T細胞はなく、またSIg陽性の成熟B細胞もなく、血清中に免疫グロブリンも存在しない。しかしながら、Thy1.2陽性でCD4/CD8 double negativeの未熟T細胞が15%程度、B220陽性でSIg negativeの未熟B細胞が20%程度に検出された。2.SCIDマウスに胎生14日齢の胎児肝細胞を、造血幹細胞として供給する事によって、CD4/CD8陽性T細胞やSIg陽性B細胞が、移入した造血幹細胞から増殖・分化し、幹細胞移入後10週目までには、SCIDマウスの免疫系を正常レベルにまで回復させることが可能であった。3.幹細胞移入後、2週目からまずB細胞系が骨髄・脾臓・末梢血において出現し、5週目には正常レベルにまで回復した。B細胞系の回復に伴って、血清中免疫グロブリンは2週目から5週目にかけて漸次増加し、6週以降ではT細胞の回復に伴って、免疫グロブリン値も正常レベルにまで回復した。4.T細胞系は移入後4週目までには胸腺にて分化・増殖を開始し、5週目になってはじめて脾臓・末梢血中に出現した。これらの末梢T細胞はその後漸次増加し、8週目までには正常レベルにまで回復した。これらの所見から、SCIDマウスに胎生14日齢の胎児肝から採取した造血幹細胞を移入することにより、胎生期と同様な発達期免疫系を成育動物において再現することが可能である事が明らかとなった。他方、SCIDマウスへの幹細胞移入前の異系(C57BL/6またはC3H)皮膚移植を行いこれが完全に生着したあとに同系幹細胞移入を行った場合、T細胞機能が完全回復する6-9週目のあいだにすべての皮膚移植片は拒絶された。ところが同系幹細胞移入後2週目に異系皮膚移植を行った場合には移植片の明らかな生着延長が認められ、同様の生着延長は移入後1週あるいは3週目での異系皮膚移植においては認められなかった。従って、SCIDマウスにおいて再現される発達期免疫系において免疫トレランス誘導を可能とする臨界期が存在する事を明らかにすることができた。
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