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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
実験背景と目的:糸球体腎炎において一過性の單球,マクロファージの糸球体集積はメサンギウム細胞(M細胞)の増殖をおこさないのに,マクロファージの糸球体の長期にわたる停滞はM細胞の増殖と相関することが知られている。 M細胞増殖へのマクロファージの関与を他の因子を除外した当該2細胞による混合培養法を用いて解析することを目的とした。 材料と方法:フィッシャー系ラット単離糸球体よりメサンギウム細胞を培養し3〜4週で4〜6継代でconfluent状態になったものを用いた。 マクロファージは無処置の糸球体及び卵白アルブミン感作によって惹起される免疫複合体型腎炎の抗原腹腔内感作中及び感作終了後の糸球体から培養基中に遊走した5日後のもので用いた。 培養M細胞を浮遊状態にしたのちそれぞれ培養皿で7日でsubconfluent,monolayer状態にしたのちマクロファージを1×10^3/皿の濃度で混合培養した。混合培養後の増殖度をOliverらの方法及び抗PCNA/cyclineを用いて免疫組織化学的にみた。 結果と考察:無処置及び抗原感作中(10日),感作終了後(28日)の糸球体からのマクロファージはともにM細胞の増殖を惹起したが,感作中糸球体のマクロファージはコントロールの増生に対し抑制がみられた。 一方感作後のマクロファージはコントロールに比し増殖能力がまさっていた。 このことによりM細胞にはオートクリン的に増殖する能力をもつが,マクロファージ由来の増殖因子によっても増殖し,しかも抗原感作時期の異なる糸球体中のマクロファージにはそれヾれ増殖能において差のあることが観察され,増殖因子の産生あるいは抑制の抗原刺激に関係する経時的な差があることが示唆された。 PCNA/cycline陽性M細胞はマクロファージと接触をもつものにみられ,その増殖にはマクロファージとの直接の接触が必要であることが示唆された。
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