Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
我々の開発した単一細胞PCR法を使用し、パラフィン包埋したATL患者のリンパ節及び胃,HAM患者の脊髄標本中の各種細胞におけるHTLV‐I感染の有無を検索し以下の結果を得た。〔ATL〕通常のPCR法ではリンパ節,胃ともにHTLV‐I tax遺伝子を検出できたので,単一PCR法を適用する前段階として50-100個の細胞をマイクロマニピュレーターで集めPCR法を行った。リンパ節:濾胞芽中心の細胞では1/12,T細胞領域では2/12,リンパ洞細胞では0/2にtax遺伝子を検出した。胃:リンパ装置芽中心では1/20,平滑筋では0/24,胃粘膜上皮では0/2にtax遺伝子を検出した。以上芽中心及びT領域の細胞に低頻度でHTLV-I感染細胞が存在することがわかったが,未だ検索例が少く,さらに検索を進める必要がある。〔HAM〕3症例のHAM脊髄標本のうち1例で,通常のPCR法によりHTLV-Iゲノム(tax,pol)を検出できたので,この症例を使用し55cycleの単一細胞PCR法でtax遺伝子を検索し次のような結果を得た。perivascular cuffingを示すリンパ球7/15,神経細胞2/7,corpora amylacea2/5,アストロサイト0/5上衣細胞1/2に陽性シグナルを得た。corpora amylaceaに陽性シグナルを得たことは予期しない結果であったが,HTLV-I感染細胞の変性核を含んでいた可能性もある。神経細胞,上衣細胞に陽性シグナルを得たことも重要な新知見であるが,artifactの可能性を除外すると共にさらに検索例を増やして検討する必要がある。なお,reverse transcriptase PCR法による検索は本年度中には行うことができなかった。
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