NDPキナーゼの遺伝子発現調節と腫瘍細胞の転移能の変異との相関について
Project/Area Number |
04670220
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
石川 直 東京都老人総合研究所, 分子病理部門, 研究員 (30184485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 信子 東京都老人総合研究所, 分子生物学部門, 助手 (60158962)
木村 成道 東京都老人総合研究所, 分子生物学部門, 研究員 (60073029)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ヌクレオシドニリン酸(NDP)キナーゼ / nm23 / 遺伝子構造 / 遺伝子発現 / アイソフォーム / 臓器・細胞特異的発現 / がん転移 |
Research Abstract |
ラットNDPキナーゼcDNAとオリゴヌクレオチドをプローブとして、ラットNDPキナーゼ遺伝子(αアイソフォーム:nm23H2相当)を単離し、プライマー伸長法、RNase阻止法を用いて転写開始部を確定し、5'上流調節部位の構造を明らかにした。当遺伝子は4エクソンから構成され(後に5エクソンからなる長型αクローンの存在も明らかになった)典型的なTATA Boxは有さず、複数のGC Boxが調節領域に存在した(論文1参照)。CATアッセイの結果、主要な転写開始部上流4番目のGC Boxを含む部に強いプロモータ活性のあることが判明した。また転移性を低下させるとされるAdeno virus Elaの遺伝子導入により、α-mRNAの発現が誘導されることが示された。 一方、αアイソフォームと交又反応を示すcDNAをスクリーニングし、二番目のアイソフォーム(β:nm23H1相当)cDNAを単離し、更にこれをコードする遺伝子をα遺伝子の5'上流に同定した。β遺伝子は5エクソンから構成され、エクソン部、エクソンーイントロン境界はα、βで極めてよく保存され、遺伝子重複により生成されたと考えられた。しかし5'調節領域はかなり異なっていた(論文2参照)。ノーザンブロット法により、全般的にαmRNAの発現が優位であり、特にαは心、腎、副腎等で、βは脳、精巣で強く発現され、本酵素mRNAは臓器特異的に発現されることが判明した。更に免疫組織染色により、本酵素は重層扁平上皮基底細胞、腎尿細管上皮等に特異的に強く発現されることが示された。またラット低転移性乳癌細胞株MTCでαが高転移性株MTLn3に比し強く発現していることが認められた。 我々の単離したラットNDPキナーゼ遺伝子は、哺乳動物由来ゲノム遺伝子としては、世界初、唯一の例であり今後転移形質と本遺伝子の発現との相関を解明するうえで不可欠のものとなるであろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)