リーシュマニア原虫のP-糖タンパク質の発現制御機構に関する研究
Project/Area Number |
04670237
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
片倉 賢 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10130155)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | リーシュマニア / 薬剤耐性 / P-糖タンパク質 / 寄生性原虫 / 熱ショック / パルスフィールド電気泳動 / アンチモン剤 / mRNA |
Research Abstract |
リーシュマニア原虫の薬剤耐性の分子機構として、遺伝子増幅によるP‐糖タンパク質の発現の高進が、リーシュマニア症の治療薬である5価アンチモン剤やそのほかの薬剤に対する耐性株において認められている。この場合、遺伝子の増幅に先だって、転写の活性化によるmRNA量の増加が起こることが、耐性獲得の初期反応であるものと推定される。そこで、リーシュマニアのP‐糖タンパク質遺伝子の発現を誘導する物理、化学的要因について、同遺伝子(pgpA)をプローブとしたノーザン・ハイブリダイゼイション法によって検討した。まず、熱ショックの影響を調べるため、Leishmania amazonensisの前鞭毛型虫体を37‐42℃に加温したが、同遺伝子の発現の高進を認めることができなかった。次に、5価アンチモン剤であるmeglumine antimonateに同虫体を暴露したが、本法ではそのmRNAの増加を検出できなかった。これらの刺激によるP‐糖タンパク質遺伝子の発現は、一過性であることや発現量の少ないことも予想される。したがってmRNAの高感度検出法や刺激条件について、今後さらに詳細に検討することが必要であると考えられた。 P‐糖タンパク質遺伝子の染色体上の位置について、パルスフィールド電気泳動法とpgpAをプローブとしたサザン・ハイブリダイゼイション法によって検討した。リーシュマニア属原虫のWHO標準株11種を含む21株について調べたところ、同遺伝子は、ほとんどの株で約700kbの大きさの一つの染色体上に存在することが判明した。しかし、エクアドルで分離したL.mexicana株においては、pgpAプローブが700kbから750kbの大きさの複数の染色体と反応したため、P‐糖タンパク質の遺伝子座が他のリーシュマニア株とは異なっている可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)