生化学的アプローチ、および、遺伝子操作によるウェルシュ菌α毒素の作用機構の解析
Project/Area Number |
04670260
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
細菌学
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
櫻井 純 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (80029800)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敬子 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (90170315)
永浜 政博 徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (40164462)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | ウェルシュ菌 / α毒素 / ホスファチジン酸 / GTP結合タンパク質 / 溶血作用 / 遺伝子 / 亜鉛 / ヒスチジン残基 |
Research Abstract |
ウェルシュ菌のガス壊疽の起病因子であるα毒素は、溶血作用発現前に、ホスファチジン酸(PA)生成を亢進させる。そこで、本毒素のホスファチジン酸の合成系に対する作用に焦点を絞り検討した。ウサギ赤血球膜に対する本毒素のPA合成亢進作用は、GTP、GTP[γs]、AlF_4^-の添加によって促進し、GTP[βs]の添加によって阻害された。一方、GTP[γs]存在下サポニン処理赤血球を毒素処理すると、溶血作用が亢進され、その添加効果が認められたが、未処理赤血球の場合は、GTP[γs]の添加効果は認められなかった。GTP[βs]存在下サポニン処理赤血球に毒素を作用させると、溶血作用は低下した。さらに、百日咳毒素で赤血球膜を前処理すると、α毒素によるPA産生亢進作用は著しく阻害された。以上から、本毒素は、百日咳毒素感受性のGTP-結合タンパク質を介して、PA合成亢進作用を発現しているものと考えられる。 α毒素の遺伝子が決定され、α毒素遺伝子を大腸菌へクローニングした。本素は、亜鉛を保持しているタンパク質であること、さらに、他のホスフォリパーゼC遺伝子との間に相同性の高い領域が存在することから、これらの知見を基に、126と136番目のヒスチジン残基に焦点を絞った。ポイントミューテーションの手法を用いて、そのアミノ酸残基を他のアミノ酸に置換した変異毒素をコードした遺伝子を作製した。そのプラスミドを枯草菌に挿入、そして培養、α毒素、並びに変異毒素を精製し、α毒素と変異毒素の活性を比較検討した。その結果、126番目と136番目のヒスチジン残基が、活性発現に重要なアミノ酸であることが、さらに、136番目のヒスチジン残基が置換されると、毒素分子内の亜鉛が1個となり、α毒素が2個であることを考え合わせると、亜鉛の保持に重要なアミノ酸と思われる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)