抗酸菌感染症の診断におけるPCR診断の臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
04670467
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山木戸 道郎 広島大学, 医学部, 教授 (50034103)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Mycobacteria / dnaJ gene / PCR / RFLP |
Research Abstract |
【目的】抗酸菌dnaJ遺伝子領域にnested PCR(n-PCR)の系を設定し、抗酸菌感染症の迅速診断におけるその有用性を検討した。さらに、PCR生成物の塩基配列を決定し、制限酵素断片長多型(RFLP)解析により菌種鑑別が行い得るか否かを検討した。 【結果】1)n-PCRによる検出限界は1反応あたりDNA量にして10fgであり、結核菌2菌体分に相当する量であった。2)特異性の検討では、結核菌群に属するすべての菌株および16菌種中11菌種の非定型抗酸菌株のDNAが増幅された。これらの非定型抗酸菌の中には、臨床的に重要な菌種である、M.kansasii、M.avium、M.intracellulareも含まれていた。一方、一般細菌はn-PCRでは増幅されなかった。3)PCR生成物の塩基配列は、結核菌群に属する7菌株では同一であった。非定型抗酸菌株は結核菌と比較して塩基配列レベルで73%から90%の相同性を有していた。4)PCR生成物のRFLP解析では、7種類の制限酵素を用いることによりn-PCRで増幅され得る結核菌群および11菌種の非定型抗酸菌の区別が可能であった。また、SmaIとNaeIの両者で切断されるのは結核菌群のみであった。5)細菌学的検査との結果の比較では、治療中の肺結核患者の喀痰におけるn-PCR法の陽性率は、67.2%であり、塗抹・培養法における陽性率41.8%より、有意に高率であった。これらの患者を細菌学的検査により2群に分けると細菌学的検査陽性例28例中26例(92.9%)、細菌学的検査陰性例39例中19例(48.7%)が、n-PCRで陽性であった。 【結論】この方法は、アイソトープも不要であり、2日間で臨床検体中の抗酸菌の同定および菌種鑑別が可能であることから、臨床応用の可能性が示唆された。
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Report
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Research Products
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