拍動心の左室心内膜下における毛細血管内血流パターンの解析
Project/Area Number |
04670512
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金塚 完 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80214435)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 冠微小循環 / 冠循環 / 心筋内圧 / 浮動型対物レンズ / floating objective / 心内膜下虚血 / ランゲンドルフ潅流心 / coronary squeezing |
Research Abstract |
本研究は、左室心内膜側の血行動態の検討を目的とした。心内膜側の血行動態を決定する因子は、(1)収縮期、拡張期の左室内圧の変化、(2)心筋の収縮自体による血管の圧迫、変形等が考えられる。此等の検討の為に2種類のモデルを試作した。(A)生理液を用いた家兎ランケンドルフ潅流心の左房から、ラテックスバルーンに組み込んだセルフォックスレンズ(直径2mmの棒状レンズ)を挿入し、左室内圧発生下に心尖部の微小循環を観察。(B)希釈自家血を用いた犬ランゲンドルフ潅流心の左室前壁を切除し、拍動下に中隔左室側または乳頭筋の微小血管を浮動型対物レンズで観察。(A)では時に細静脈が観察されたが、出現頻度は低く、また心内膜に障害され血管内蛍光粒子(直径1mm)をセルフォックスレンズを介した紫外線では十分に励起できず、血流速度の計測は困難であった。(B)では蛍光粒子による血流速度の計測が十分に可能であった。潅流液の自家血と生理液の混合比は平均12、pH7.35±0.02、PaO_2153×30mmHg、PaCo_233±2mmHgであった。潅流圧は80,60,40mmHgの三段階に設定した。主に細静脈が観察され、細動脈の出現は希であった。細静脈血流は、何れの潅流圧でも拡張期優位であり、潅流圧を60または40mmHgに低下させるとしばしば収縮期血流の停止が観察された。しかし逆流は認められなかった。以上の結果は、心内膜側の収縮期血流は心内圧の発生とは無関係に停止し得ることを示す。従って心内膜側の周期的血流変化の決定因子として、心筋の収縮自体による血管の圧迫、変形が重要な役割を持つ。また逆流が観察されなかったことより、心内圧の発生が無い状態では、心筋内静脈のAqueezingが血流の停止をもたらす可能性は少ないと考えられた。しかし希釈自家血を用いた場合でも、心筋浮腫発生の可能性があり(測定例では心筋dry/wet比が約1.5)、今後希釈液にアルブミンを加える等の処置により、浮腫の影響を検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)