心血管系組織におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチドの発現ーー病態との関連
Project/Area Number |
04670517
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大内 尉義 東京大学, 医学部(病), 講師 (80168864)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡 東京大学, 医学部(病), 医員
盛田 俊介 東京大学, 医学部(病), 医員
秋下 雅弘 東京大学, 医学部(病), 医員
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | カルシトニン遺伝子関連ペプチド / Pclymerase chain reaction / 血管平滑筋細胞 / 交感神経 |
Research Abstract |
1.目的:カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の心血管系組織における発現と、局所の循環調節因子として作動する可能性について検討する。2.方法及び結果:(1)PCR法にてCGRPに特異的なエクソン5の塩基配列からプライマーを作製し、RT-PCR法によりCGRPに特異的なcDNAを作製し、アニーリング62℃、2分にて35サイクルのPCRを行い、このcDNAプローブを用いることによりラット脳、脊髄、肺、大動脈においてCGRP遺伝子の発現のあることを確認した。しかし、これらのうち脊髄を除き、CGRP遺伝子の発現はきわめてわずかであり、NorthemblotによるCGRPmRNAの発現は検出できなかった。ラット血管平滑筋細胞、内皮細胞においても同様にCGRPmRNAの発現は検出されなかった。(3)CGRPは10%血清刺激、上皮成長因子刺激下でのラット大動脈培養平滑筋細胞のDNA合成の増加を抑制した。(4)Wistarラット側脳室に投与したCGRPは血圧、心拍数を用量依存的に上昇させ、CGRPに対し受容体レベルでの拮抗作用を有するCGRP(8-37)はこの反応を抑制した。このCGRPの中枢性昇圧作用はα遮断薬、また6ーハイドロキシドパミンによるchemical sympathectomyにより有意に抑制された。CGRPの側脳室内投与は血中カテコールアミン濃度を有意に増加させた。3.結論:CGRPは中枢神経系のみならず心血管系にも発現しており、また血管平滑筋細胞の増殖抑制作用を有するが、その発現はきわめてわずかであり、局所の循環調技因子として作動する可能性はうすいと考えられた。しかし、CGRPは中枢性の昇圧作用を有し、これは中枢のCGRP受容体を介して末梢交感神経系活性を亢進させることによることが判明した。中枢神経系ではCGRPが発現していることから、CGRPは中枢性血圧調節に関与する可能性があると考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)