虚血再潅流心におけるStunned Myocardiumについての検討
Project/Area Number |
04670556
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
片桐 敬 昭和大学, 医学部, 教授 (90102293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下司 映一 昭和大学, 医学部, 助手 (50192050)
今野 述 昭和大学, 医学部, 助手 (50215472)
柳下 俊邦 昭和大学, 医学部, 助手 (70183671)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 急性虚血心 / 再潅流障害 / Stunned Myocardium / 筋小胞体 / ミトコンドリア / Segment Shortening / 微細構造 / 成犬 |
Research Abstract |
〈目的〉虚血再潅流心における持続的心機能低下すなわちStunned Myoca-rdiumの発生機序とその回復過程について、生化学的、微細構造学的に検討した。〈方法〉雑種成犬70頭を麻酔調節呼吸下に開胸し、血行動態、Segment Shortening(SS)(超音波クリスタル)、冠血流量(超音波ドップラー)、局所心筋血流量(水素クリアランス)の連続モニター下に、左冠動脈前下行枝を15分間閉塞(I)し、急性虚血心を作成後、15分から60分さらに無菌的に閉胸し7日間まで再潅流(R)した。経時的に拍動心を摘出し、内膜側、外膜側に分け、筋小胞体(SR)、ミトコンドリア(Mt)を抽出分析、さらに電子顕微鏡で微細構造学的にも検討した。〈結果〉左室圧、心拍数等の心血行動態は、経過中有意な変動を認めなかった。SSはI-15分で虚血前値の-27%とDyskinesisを示し、再潅流後60分で52%、3日で67%とStunningが持続したが、R-7日で95%まで回復した。冠血流量、局所心筋血流量は、再潅流後reactive hyperlemiaを呈したが、R-60分ですでに前値に復していた。内膜側のSRのCa^<++>-ATPase活性は、I-15分で非虚血部の54%と有意に低下し、R-60分で73%、R-3日で78%と低値が持続したが、R-7日で105%と完全に回復した。Mtのstate3呼吸活性およびDinitrophenol-ATPase活性も同様に、R-3日までは有意に低値を示したがR-7日で前値に復した。外膜側心筋のSRおよびMtの検討では有意な変化を認めなかった。SR蛋白のSDSゲル電気泳動による分画定量および電子顕微鏡的観察では不可逆性障害を示唆する有意な変化を認めず、局所的心収縮力の持続的低下は壊死性細胞障害によるものではなかった。〈総括〉15分虚血後の再潅流心において、Stunned Myocardiumを認めたが、再潅流7日で局所心機能の回復が得られ、SRおよびMtの機能回復過程と一致した。Stunned Myocardiumの要因として、心筋細胞内微小器官、特にエネルギー産生、消費両面における機能低下が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)