疎毛症キメラマウスの超微形態学的,免疫組織化学的解析
Project/Area Number |
04670635
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
諸橋 正昭 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50018719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籠浦 正順 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50201413)
萩田 善一 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (40109111)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 脱毛 / 疎毛症マウス / ヘアレスマウス / キメラマウス / 電顕 / 角化異常 |
Research Abstract |
疎毛症キメラマウスの超微形態学的、免疫組織化学的解析 1)組織学的検討:黒毛領域では、脂肪組織まで達する手包が認められ、毛乳頭内には、多数の間葉系細胞が認められる。白色疎毛の領域では、pilary canalの開大が認められる。内毛根鞘とhair shaftとの間に離解が認められる。週齢を経るにつれて離解は高度になり、形成異常を伴う毛包に関連してcyst形成も認められるようになる。 2)超微形態学的検討:黒毛領域では、毛乳頭の細胞間基質は豊富である。毛球部細胞は、核は大型楕円形であり細胞質は少なく多数のミトコンドリアやリボゾームが認められる。内毛根鞘と毛小皮の角化には異常は認められない。白色疎毛の領域では、毛乳頭細胞、毛球部細胞には異常は認められない。毛小皮の最外層には、高電子密度の物質が充実性に観察され、特に毛小皮と鞘小皮が嵌合している食い込みの部分で顕著に見られる。 3)免疫組織化学的検討:DNA polymesase^-α、DAKO PC-10などのPCNAによる染色所見では、毛乳頭細胞および毛球部細胞について、ddYマウスと疎毛症キメラマウスの間では、明らかな差異は認められなかった。[考案]:キメラマウスの白色疎毛領域における脱毛のメカニズムは、内毛根鞘と毛小皮の離解が起こることにより発生すると考えられる。超微形態学的に検討した結果、毛小皮の最外層に見られる不規則、ひも状の高電子密度物質が、内毛根鞘と毛小皮の離解に深く関与していると考えられた。C57BL/6マウスと疎毛症マウスとの間に作成されたキメラマウスは、毛組織の発生や分化あるいは毛を支持する鞘小皮と毛小皮などの役割を解析する上で極めて有用な動物であると考えられた。脱毛の原因には、角化異常が関与すると考えられ、今後transglutaminase,DACM染色などにより検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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