Project/Area Number |
04670667
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内海 博司 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (20025646)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 放射線抵抗性癌 / 悪性黒色腫 / 骨肉腫 / PLD |
Research Abstract |
本研究の目的は、放射線抵抗性癌の原因が、癌細胞の高い修復能力によるのか、高い防御機構によるのか等を明らかにすることによって、その増感方法を見い出し、より戦略的な放射線治療の基礎資料を提供することにある。 研究方法:ヒトの抵抗性癌といわれる骨肉腫細胞株や悪性黒色腫細胞を用いて検討する。その方法は、in vitroのコロニー形成法によって亜致死障害(SLD)や潜在致死障害(PLD)修復能やDNAレベルの修復能等について検討し、放射線抵抗性との関連を検討する。 研究成果:ヒト骨肉腫細胞株(9株)は、正常繊維芽細胞に比較して、ほとんどが抵抗性であったが、癌細胞が常にPLD修復能が高いのではなかった。むしろ、正常繊維芽細胞に比較して、PLD修復能の非常に高い(生存率が15倍ほど上昇する)細胞株もあることが見いだされた。この高いPLD修復能ゆえに、なかには非常に治療成績が悪い場合が起こり、ヒト骨肉腫が放射線抵抗性である可能性が示唆された。一方、ヒト悪性黒色腫細胞(6株)を検討して、X線に対して高感受性株P39(Do=74cGy,Dq=85cGy)と、抵抗性株G-361(Do=145cGy,Dq=249cGy)を見いだした。この両細胞を比較検討した結果、コンフルエントの細胞で観察される遅いPLD修復能も、不等張塩溶液感受性の増殖期に見られる早いPLD修復能に関しても、抵抗性のG-361メラノーマ細胞株が、感受性のP-39メラノーマ細胞株より高い修復能力を示した。但、この両メラノーマ細胞株には、紫外線の感受性には差が見られなかった。このように、抵抗性な癌細胞はPLD修復能力が高く、特にDNA二重鎖切断修復能に差が見いだされた。 本研究によって、有効なPLD修復阻害剤が見いだされれば、放射線抵抗性の癌細胞を簡単に増感できる可能性が示唆された。
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