電気特性の変化を利用した肝障害時における肝viabilityの簡便な評価法の開発
Project/Area Number |
04670728
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
渡辺 敬 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (20241276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 英夫 岐阜大学, 医学部・附属病院, 医員
片桐 義文 岐阜大学, 医学部・附属病院, 医員
酒井 聡 岐阜大学, 医学部, 助手 (80225755)
千賀 省始 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (20226690)
林 勝知 岐阜大学, 医学部, 講師 (80144020)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 電気低抗率 / 肝viability / 虚血一再潅流 / 臓器保存 |
Research Abstract |
1.目的 近年、肝移植や肝切除術に際して臓器保存時の肝viabilityや虚血再潅流によって惹起される肝障害の程度の評価が希求されている。しかし、簡便な方法や装置でリアルタイムに評価できる方法は未だ開発されていない。一方、生体の誘導体としての電気特性は、臓器により異なり、また各臓器も構成単位である細胞の微細構造の変化や、細胞内液および外液の組成、および細胞膜の性質などの変化により誘電体としての特性が変化する。この変化は通電する周波数を変化させたとき電気的緩和現象の違いとなって観測される。そこで虚血再潅流にともなう肝の生化学的、組織学的変化を比較検討し、電気抵抗率と比誘電率の周波数特性の変化から肝viabilityを判定する事を目的にする。 2.結果 肝の虚血、再潅流を行い、周波数20Hzから1MHzにおいて、電気抵抗率を測定し、周波数特性の経時的変化を検討し、高速液体クロマトグラフィにて測定した肝組織高エネルギー燐酸化合物、経時的に測定した胆汁流量、および組織学的変化を比較した。電気抵抗率は虚血後直ちに上昇し、40分後最高値を示し、それ以降再潅流までは徐々に減少した。さらに再潅流とともに、急激に減少し、その後緩やかに減少した。比誘電率の変化は10kHz以下の低周波数域では虚血により低下し、再潅流により上昇した。虚血中の肝組織ATPは、虚血20分後まで急速に減少し、虚血前値の43.0±5.3%となり、その後は緩やかに減少し40分後には35.9±6.4%を示した。60分、120分虚血時間群では、電気抵抗率は虚血40分後に最高値をとるが、その後再潅流までの低下率が異なっていた。胆汁流量の回復率は、虚血時間が長くなるに従い胆汁流量の回復率は低値を示した。虚血中の電気抵抗率の最高値から再潅流直前値までの変化と、胆汁流量の回復率の間には、強い相関関係(r=0.997、1kHz)が認められた。虚血再潅流時の肝viabilityの評価には電気抵抗率の測定が良い指標になる可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)