Project/Area Number |
04670849
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山浦 晶 千葉大学, 医学部, 教授 (40009717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 和正 千葉大学, 医学部, 医員
中村 道夫 千葉大学, 医学部, 医員
大里 克信 千葉大学, 医学部, 助手 (90125906)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 実験的脊髄外傷 / 脊髄グルコース代謝率 / 細胞外カリウム濃度 / DC-ポテンシャル / 脊髄血流量 / 皮質誘発電位 |
Research Abstract |
雄性ウイスター系ラットを用い、Th8レベルにWeight drop法で重度脊髄損傷を作製し以下の測定を行なった。1)^<14>C-deoxyglucoseを用いたautoradiography法にて脊髄損傷後2時間、24時間の脊髄glucose代謝(LSCGU)を測定し、対照群と比較した。同時に受傷後2時間まで細胞外カリウム濃度[K^+]とDC-potentialも測定した。(結果)受傷後2時間では、受傷部のLSCGUは白質、灰白質ともに著明に低下した。受傷部より6mm頭側でも同様に有意な低下を認めたが、受傷部より3mm頭側では逆に代謝の亢進を認めた。受傷後24時間では受傷部より3mm頭側ではLSCGUは低下し、9mm頭側でも有意な低下を認めた。一方、受傷部位の[K^+]は受傷直後より2時間まで高値を示し、DC-potentialも陽性に偏位した。(結論)脊髄損傷の代謝に及ぼす影響は、受傷部位にとどまらず長軸方向の広範囲に及ぶことが判明した。また受傷後2時間で受傷部位より3mm頭側に認められた一過性の代謝の亢進は、受傷部位より流出した[K^+]が代謝の過負荷となり、glucoseの取込が亢進したために生じたものと考えられた。2)H_2-クリアランス法を用いて脊髄損傷後の脊髄血流(SCBF)の変化を測定し、同時に脊髄機能の変化は皮質誘発電位(SEP)で評価した。一部のラットには受傷後に生じる低血圧期に人為的な昇圧を加え、SEPに及ぼす影響を観察した。(結果・結論)脊髄損傷により受傷部のSCBFは受傷直後より低下し30分で最低値を取り、受傷後3時間でも回復を示さなかった。SEPは受傷直後に消失し、受傷後1時間まで緩やかな回復を示したが、その後再び悪化した。一方、受傷後に昇圧を加えたラットではSEPは徐々に回復しこの傾向は受傷後3時間まで継続した。昇圧群のSEPの変化は昇圧による脊髄機能の改善を示唆する。今後昇圧群のSCBFもあわせて測定し脊髄損傷後の脊髄血流と脊髄機能との関連を調べていく必要がある。
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