Project/Area Number |
04670906
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井口 傑 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60051851)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1992: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 関節軟骨細胞 / 機械的負荷 / プロテオグリカン |
Research Abstract |
1.目的 関節手術後に使用されるcontinuous passive motion(CPM)の臨床的有用性は明らかとなってきたが、その基礎となる軟骨組織の代謝に対する機械的負荷刺激の影響は不明である。今回細胞外基質の影響を除き刺激を単純化するために、培養軟骨細胞に伸張負荷を加え、その代謝の変化を調べた。 2.材料及び方法 若牛の中足趾節関節より関節軟骨を採取し、酵素的に細胞を分散してから10%FBSを含む培養液を用いて7日間前培養した。可塑性の培養器の底を大気圧の吸引によって周期的に歪め、培養軟骨細胞に伸張負荷を加えた。負荷の量は最大15%の伸張とし、頻度はCPMを想定して10秒間の伸張及び20秒間の休止のサイクルとして、負荷刺激を24時間行った。負荷刺激を加える間の^<35>S-sulfateの取り込み率からプロテオグリカンの生合成を分析し、同時にRIAによりcAMPの定量を行い細胞内伝達機構について検討した。 3.結果 培養軟骨細胞の^<35>S-sulfateの取り込み率は、周期的伸張負荷を加える事により、負荷を加えなかった対照に比し有意に増加した。また同時にcAMP量も有意に増加した。 4.考察 今回培養軟骨細胞に伸張負荷を加えることにより、プロテオグリカンの生合成は有意に増加し、同時にcAMP量も増加した。これは伸張負荷により、細胞膜の高次構造の変化及び細胞骨格の変形が起こり、この変化がcAMP系を介して細胞内シグナルとして伝達され、プロテオグリカンの生合成が増加したものと考えられる。以上の結果より軟骨組織のの恒常性の維持には、軟骨組織への機械的負荷が重要な役割を果たしていると考えられた。
|