Project/Area Number |
04671123
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
工藤 照夫 大阪大学, 歯学部, 講師 (10028805)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 歯髄線維芽細胞 / カテプシンB / ブラジキニン / des-Arg^9-ブラジキニン / アルギニン / セリン / スレオニンキナーゼ / チロシンキナーゼ / G-タンパク |
Research Abstract |
本研究はbradykinin(BK)、des-Arg^9-BKあるいはL-arginine(L-Arg)刺激による細胞内カテプシンBの活性化機序をラット歯髄の培養線維芽細胞を用い、細胞内情報伝達の観点から検討することを目的とした。 本研究費補助金による購入設備(恒温槽、吸引ポンプおよび実体顕微鏡)は歯髄細胞の培養ならびに酵素活性の測定に有効に用いられた。 本研究においてBKあるいはdes-Arg^9-BKによるカテプシンBの活性化はdes-Arg^9-[Leu^8]-BKあるいは百日咳毒素(IAP)によって抑制されたが、L-ArgによるそれはLeu-ArgあるいはボツリヌスC_3酵素によって抑制された。上記刺激によるカテプシンBの活性化はいずれもCa^<2+>に依存していた。これらの結果はBKあるいはdes-Arg^9-BKによるカテプシンB活性化はB_1受容体およびIAP感受性Gタンパクを介しCa^<2+>依存性であるが、L-Argによるそれはkyotorphin受容体およびC_3酵素感受性Gタンパクを介しCa^<2+>依存性であることを示した。一方、カテプシンBの活性化はneomycin Bおよび各種セリン/スレオニンキナーゼの阻害剤によっていずれも抑制された。これらの結果はホスフォリパーゼCおよびセリン/スレオニンキナーゼがBK、des-Arg^9-BKあるいはL-ArgによるカテプシンBの活性化に関与していることを示唆した。Genisteinはdes-Arg^9-BKあるいはL-ArgによるカテプシンBの活性化を異なる機序で抑制し、チロシンキナーゼもこの活性化に関与していることを示した。BKあるいはL-ArgによるカテプシンBの活性化はL-NMMAによって抑制されたが、des-Arg^9-BKによるそれは抑制されなかった。また、L-Argによるこの活性化はβ-glycerophosphate(β-GP)によって増強されたが、BKあるいはdes-Arg^9-BKによるこの活性化はβ-GPによって抑制された。以上、歯髄線維芽細胞におけるBKによるカテプシンBの活性化はdes-Arg^9-BKとL-Argの作用の総合した作用によることが示された。
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