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¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
歯科鋳造において,鋳型の影響による鋳造体内の応力の発生は,鋳造体の変形をともない,無視できない問題である。ところで,我々は鋳造体の応力をなくすためには,鋳型の強度は可能な限り弱くすること,また鋳型の収縮が鋳込んだ合金の収縮と同じか,もしくは早いことが必要ではないか,と考えている。今回の研究の目的は,まずこの考え方の是非を確かめることである。 鋳造体に応力が残っているかどうかの確認,ならびに,定量的手段は西村による方法を採用した。すなわち,リング型の鋳造体を鋳造後切断することによっておこる変形の度合を測定する方法である。 実験は次の2点を主眼に行なった。鋳型の強さに関しては,りん酸塩系埋没材と石こう系埋没材との比較,結合材量の多少による残留応力の比較検討を行なった。鋳込み後の収縮傾向に関しては,石英埋没材とクリストバライト埋没材とが比較検討された。 これまでの実験結果を要約すると, 1.鋳造体に残留する応力は,りん酸塩系埋没材を使用した場合が,石こう系埋没材を使用した場合より大きい。特に結合材量が25%のりん酸塩系埋没材による残留応力は著しく大きい。 2.石こう系埋没材使用時の残留応力は実験にもちいたリング状鋳造体の巾によって異なる。すなわち,巾の狭い場合には切断後リングは閉じる傾向を示し,広い場合には開く傾向を示す。おそらく,スプルーの影響が加わるためだと考えられ,今後の課題としたい。 3.石英埋没材をもちい,結合材量を15%までおとしても,残留応力をなくすことはできなかった。今後さらなる検討を続ける予定である。
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