Project/Area Number |
04671201
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
福井 壽男 愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学, 助教授 (50090147)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 金合金 / 金-パラジウム-銀合金 / 時効処理 / 溶体化処理 / 疲労特性 / 引張特性 / 固溶硬化 / 応力振幅 |
Research Abstract |
歯科用金合金、銀合金の機械的性質は350℃での時効処理材で最も顕著な時効硬化を示した。一方、溶体化処理材では金合金の引張特性、硬さは時効処理材に比べその値は少なく、しかも溶体化処理温度によって変化しない。銀-パラジウム-銅合金では溶体化処理温度が750℃以上になると引張強さ、硬さが上昇し、時効処理材に匹敵する結果を得た。繰り返し応力10^7回を疲労限とみなした場合の疲労特性は金合金の時効材では52.2MPa、溶体化処理材では60MPaを得た。しかし、疲労限より高い応力振幅では時効処理材の方が疲労までの繰り返し回数が2培長い。これは溶体化処理によって軟化したため、伸びが付与されて疲労限を上昇さたが、強度不足のため疲労限以上の応力に対しては早く破断する。 一方、銀-パラジウム-銅合金の溶体化処理材は時効材と比べて疲労限が1.8倍に上昇し、疲労限以上の応力に対しても溶体化処理材が優れている。これは伸びが時効材程減少しないためである。疲労破壊メカニズムをSEM写真から考察すると金合金時効材と溶体化処理材は疲労限に達すると破面ノッチ部に焼きなまし双晶を多く含んだ粒界破面が観察され、中心部に顕著なストライエーション像を認める。この事実をノッチ部のクラック発生とその伝播の抑制により疲労限を向上させている。一方、銀-パラジウム-銅合金では時効材と溶体化処理材とで大きな差がみられる。時効材には粒状析出物を認め、しかもストライエーションの形跡が全く見られない。クラックは粒状析出物にぶつかると析出物とマトリックスの境界に沿って早く伝播したため、疲労限が小さくなる。溶体化処理材ではノッチ部、中心部にストライエーションが観察され塑性変形の跡が認められる。これはα_1相、β相の固溶によりマトリックスが強化され、クラック伝播を抑制したため高い疲労強度が得られた。本結果は合金補綴物の強度向上に大きく寄与すると考えられる。
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