Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1992: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本研究は、各種頚骨再建材料移植後の生体反応について検討した.動物は健康な成熟ラット,若齢ラット,高齢ラットそして放射線照射ラットを使用した.実験はラットの頭頂骨に新鮮自家骨,凍結乾燥骨,焼成骨,オートクレーブ骨,人工ハイドキシアパタイトそしてチタン金属プレートを移植し,主として組織形態学的に観察した.その結果,以下の知見を得た. 1.どの材料に対しても,移植床周囲の母骨上で新生骨形成がおきる. 2.新生骨の形態および成長過程は,発生段階の骨形成と類似する. 3.その成長速度は発生段階のものより早い. 4.新生骨は,各生体材料を包み込むように成長し,骨性結合を行う 5.非生体材料に対しては,新生骨は移植床周囲で材料と接するのみである. 6.新鮮自家骨以外の材料に対しては,移植後初期の骨形成,骨結合反応が遅れる. 7.生体材料に対する骨吸収反応は,きわめてゆっくりと行われる. 8.しかし焼成骨やオートクレーブ骨のように骨構造の粗造になった材料では,移植材料内への新生骨進入が早期から行われ,より強固な結合がある. 9.若齢および高齢ラットでも,これらの反応は類似する. 10.放射線照射の影響は,照射後から移植処置までの期間に関係し,照射後早い時期の移植では,母床の初期骨形成および血管新生,そして骨吸収反応が著しく遅れる. これらのことより骨欠損部への各種再建材料の移植に対する生体の反応は,単に異物処理機構や抗原抗体反応のようなある物質を排除するための機構だけではなく,むしろそれを受け入れるための条件を探る何らかの機構があると考える.今後,サイトカインや各種ホルモンなど骨移植後の骨代謝における細胞間情報伝達機構を詳細に検討することが必要と考える.
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