血液-脳関門における制癌剤透過機構の解明:P-糖蛋白機能発現の定量的評価
Project/Area Number |
04671323
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 洋史 東京大学, 薬学, 助手 (80206523)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 雄一 東京大学, 薬学部, 教授 (80090471)
|
Project Period (FY) |
1992 – 1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 血液-脳関門 / 血液-脳脊髄液関門 / 脳毛細血管内皮細胞 / 脈絡叢上皮細胞 / P-糖蛋白 / ビンクリスチン |
Research Abstract |
抗癌剤の中枢神経系への移行性について検討を加えるため、以下の検討を行った。 (I)抗癌剤の血液から中枢への移行 in vivo実験により、種々の抗癌剤をi.v.投与し、血漿中濃度推移を測定した後、実験動物を屠殺し、その脳内濃度を決定した。得られた実験結果を積分プロットの形に整理し、傾きから、血液脳関門を介したインフラックスクリアランスを決定した。その結果、抗癌剤の関門透過性は、その物理化学的性質(脂溶性、分子量)から予測される受動輸送に基づく値よりもはるかに低く、関門における汲み出し機構が関与する可能性が示された。また、培養脳毛細血管内皮細胞を用いた輸送実験を行ったところ、このin vivo結果を支持する結果が得られ、血液脳関門におけるP-糖蛋白の寄与が示唆された。 (II)抗癌剤の中枢から血液への移行 抗癌剤を脳室内投与により、直接脳脊髄液中に投与すると、すみやかな消失が観察された。この機構を解明するために、血液脳脊髄関門を形成する脈絡叢を単離し、モデル化合物[^3H]ビンクリスチン(VCR)の輸送を測定した。その結果、VCRの輸送には飽和性が観察されるものの、代謝阻害剤、-SH基修飾剤による影響は受けず、またNa^十-依存性も観察されなかった。また、速度論解析の結果、VCR輸送系は、我々がすでにcharacterizeした有機カチオン シメチジン輸送系とは異なることが示唆された。また、VCR輸送には、トレーサー濃度存在下、および過剰量非標識体存在下で同様な顕著な温度効果が観察されたことから、エンドサイトーシステム等の機構が関与し、中枢から血液へと汲み出される可能性が示された。 以上、血液脳関門、血液脳脊髄液関門を介した血液から脳への、及び脳から血液への輸送を定量的に討価することに成功を修め、本年度の目的を達成した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)