Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Research Abstract |
本研究の目的は,インビボ・ボルタンメトリーとマイクロダイアリシスを組み合わせることにより,脳内で起きている種々の神経伝達物質の変化を行動と対応させながら瞬時に測定できる実験システムを確立することであった。 まず,インビボ・ボルタンメトリー用電極とマイクロダイアリシス用プローブを同一個体に同時に併用できるように小型化した。マイクロダイアリシス用プローブについては,すでにわれわれは慢性実験への応用が可能な着脱式のものを考案しているので,それを26Gの大きさにまで小型化した。インビボ・ボルタンメトリー用電極としては,先端径7〜30μmのガラス管被覆単一炭素繊維電極を作製し,これにマイナスに帯電した高分子ポリマー(Nafion)を薄く(約5μm)塗ったのものを用いた。 次に,試験管内での神経化学的特性について調べた。マイクロダイアリシスプローブの特性は従来のもの(D.Nakahara et al.,Biagenic Amines,6:559-564,1989)にほぼ類似していた。Nationで被膜したボルタンメトリー電極はモノアミン伝達物質を感知するが,その代謝物質やアミノ酸は感知しないという性質を有した。この電極のモノアミンに対する感度は,ドーパミンに対して最も高く,つづいてセロトニン,ノルアドレナリンの順であった。また,還元反応電位に対する酸化反応電位の比の違いによってこれらの物質の識別が可能となった。 以上のように,本研究で作製したインビボ・ボルタンメトリー用電極とマイクロダイアリシス用プローブを併用することにより,少なくともモノアミン伝達物質についてはインビボにおける定量的かつ瞬時的(最大100ミリ秒の時間分解能)な測定が可能になった。
|