Project/Area Number |
04671409
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 金沢大学, 薬学部, 助教授 (60155463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 郁巳 金沢大学, 薬学部, 助手 (20155237)
辻 彰 金沢大学, 薬学部, 教授 (10019664)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アフリカツメガエル / 卵母細胞 / ウリジン / 輸送担体 / 組織標的化 / 遺伝子発現 / 小腸吸収 / 薬物分子設計 |
Research Abstract |
本研究はアフリカツメガエル卵母細胞を発現系として用い、小腸上皮細胞における輸送担体の実体を明らかにすることを目的とした。特に、核酸輸送系に焦点を絞った。mRNA注入卵母細胞はヘキソース及アミノ酸(Aシステム)輸送系が発現していることが確認された。mRNA注入卵母細胞においてNa^十依存的なウリジンの取り込みが見られた。GTC-CsCl法、Phenol/Chloroform法、GTC-Phenol/Chloroform法を用いてmRNAを抽出したところ、いずれの方法においてもNa^十依存的ウリジン輸送系の発現に差は見られなかった。mRNA注入卵母細胞におけるウリジンのNa^十依存的取り込みに飽和性が見られ、ミカエリス定数Ktは6.7μM、最大輸送速度Jmaxは3.40μ1/0.5hr/oocyteとなった。このKt値は、家兎小腸刷子縁膜小胞系(BBMV)で報告されている値(6.4μM)と極めてよく一致していた。さらに、ウリジンの取り込みは構造類似体であるアデノシン及びチミジンで顕著に阻害された。イノシンによって阻害傾向が見えたが、アデニン及びウラシルで阻害されなかった。以上の結果より、アフリカツメガエル卵母細胞に家兎小腸上皮細胞のmRNAを注入することでウリジン輸送担体が発現することが明らかになった。発現した輸送担体の特性はBBMVを用いて解明された輸送特性と一致していたことから、家兎小腸上皮細胞刷子縁膜に存在する輸送担体と同一であることが示唆された。 薬物の細胞膜透過性に関する機構論的研究において、輸送担体の存在あるいは共通性についてしばしば問題となる。本実験系は透過現象の実体が膜蛋白であることを輸送機能の発現によって証明出来る点で優れている。この実験法を小腸のみなず種々の臓器における薬物輸送機構の解析に応用することで、標的組織に選択的に移行する薬物の合理的な分子設計が可能になると考えられる。
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