Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1992: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
平成4,5年度にわたり,慢性疾患患者のホームケアにおける障害度別にみたケアに関わる費用分析を実施し以下の結果を得たので報告する。対象は,東京女子医科大学病院の脳神経外科病棟3個所および神経内科病棟2個所を1年間に生存退院した20歳以上の患者とその家族450ケースである。 障害度の分類はKATZのADL-INDEXをもとに新たなADL尺度を開発した。その尺度は歩行,入浴,更衣,会話,排泄,食事の6アイテムで,各々5-7項目のサブスケールで構成され,因子分析とガットマン解析により,尺度の1次元性と再現性が確認され,障害度は8段階に分類された。一方,費用は直接医療関連支出と間接療養関連支出とに分けた。後者は在宅におけるケア時間を測定し,それを各職種の賃金体系をもとに便宜的に費用に換残した。その結果,直接医療支出は障害度が高くなっても漸増を示した。このことは,障害度が高くなるにつれて病院外来受診が減少することを反映している。一方,間接療養支出は障害度が高くなるにつれて指数曲線的に増加する傾向を示し,特に,排泄や食事といったADLが障害される段階まで進んだ対象では,急激に間接療養支出が高まることが示された。しかし,障害度が高い対象では間接療養支出の分散が大きく,今後,障害度が高い群の費用支出に関する測定精度を高めることが課題である。これからの方向性として,米国のナーシングホームの費用償還に活用されているRUG-SYSTEMを我が国のホームケアに適用することの検討を計画している。
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