Project/Area Number |
04671463
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡崎 具樹 東京大学, 保健管理センター, 講師 (60203973)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 徹也 東京大学, 医学部分院, 助教授 (00134601)
|
Project Period (FY) |
1992 – 1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | カルシウム / 転写因子 / 遺伝子発現 / 還元因子(ref1) |
Research Abstract |
生体の細胞外液Ca濃度の恒常性を保つための機構を解明する目的で、外液Ca濃度を感知してnCaREというDNAエレメントを共有する一群の遺伝子の転写を抑制する転写因子を同定した。この核蛋白は、種々の転写因子のDNA結合活性を増強させることが知られていたref1というものであった。しかし、これまで、ref1自体のDNA結合活性については知られていなかった。以下に我々の得た知見を記す。 1)大腸菌で大量発現させ精製したref1蛋白は、DNA配列(nCaRE)特異的に結合し、 2)ref1発現ベクターを導入した培養細胞の核蛋白とnCaRE結合活性は劇的に増強した。 3)ref1 mRNA及び蛋白の量は共に、細胞外液Ca濃度の上昇によって数倍増加した。この上昇は外液Ca濃度上昇による、nCaREに対する核蛋白の結合活性の増強と平行した。 4)ref1蛋白は培養細胞において持続的に発現されているため、アンチセンスref1 cDNAをHeLa細胞に導入した。その結果、 a)アンチセンスref1 cDNAを導入した細胞(Fer-HeLa)の核蛋白中のref1蛋白量は著減した。 b)Fer-HeLa細胞の核蛋白のnCaREに対する結合活性も著減した。 c)Fer-HeLa細胞では、細胞外液Ca濃度上昇による転写抑制が消失した。 以上の結果から、ref1蛋白は、nCaREに結合することによって、細胞外液Caによる遺伝子転写抑制を媒介することが強く支持された。さらに、ヒトref1蛋白に対する抗ref1抗体を用いた実験によって、 5)培養細胞核蛋白とnCaREとの間のゲルシフトアッセイにおいてこの抗体を加えるとnCaRE-核蛋白複合体は、抗体特異的に消失した。そして、抗体を含むこの反応液に、精製ref1蛋白を加えるとnCaRE-核蛋白複合体が元通りに復元された。 これらの実験結果から、細胞外液Ca濃度依存性に、nCaREを有する遺伝子の転写抑制に関わる核蛋白(nCaREB)の少なくとも一つがref1蛋白であることが結論された(Prog.in Endocrinology,1993;pp407-410、及び投稿中)。
|