遺伝子診断による症候型慢性リンパ性白血病の本体解明
Project/Area Number |
04671522
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福原 資郎 京都大学, 医学部, 講師 (40142301)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 慢性型B白血病・リンパ腫 / 14q32転座 / BCL-1 / PRAD1 / BCL-3 |
Research Abstract |
わが国の成熟型B細胞腫瘍における慢性型白血病・リンパ腫の本体解明を目的に、14q32(IGH遺伝子)転座の遺伝子診断を試みた。対象症例は、いずれもB細胞の単クローン性増殖が確認されている。 1.t(11;14)(BCL1/PRAD1;IGH)型腫瘍の同定には、BCL1切断領域のMTCプローブとPRAD1遺伝子プローブを使用した。 (1)サザン解析では、75例中9例にBCL1領域(BCL1-MTC,PRAD1)の再構成を検出した。ノザン解析の可能であった22例では、5例にPRAD1-mRNAの過剰発現を認めた。(2)11例がt(BCL1/PRAD1;IGH)型腫瘍と同定された。組織診断別にみると、ILL:8/13例、濾胞性リンパ腫:1/41例、びまん性リンパ腫:2/22例であった。 (3)これらの11症例のすべてが進行病期(III:3例、IV:8例)にあり、白血化(9例)、そして肝・脾腫(8例)を特徴とした。(4)表面マーカーは、CD5^+(9/10)とCD10^-(9/10)を特徴とし、Cμ領域の欠落症例を認めなかった。 2.t(14;19)(IGH;BCL3)型腫瘍の同定には、pα1.4P(5´BCL3プローブ)とpα.5B(上流プローブ)を使用した。 (1)50例の慢性型B細胞白血病・リンパ腫を対象とした。(2)31例のCLL中2例にBCL3遺伝子の再構成断片を検出し、CαまたはおよびCε遺伝子領域プローブによりラベルされた。(3)これら2症例は、典型的CLLとは異なる病態を示し、幼弱細胞の増加とリンパ節の腫脹を特徴とした。 今後、さらに症例を蓄積し、欧米例と比較検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)