不安定電子ビーム系における非分散性非線形構造の発生
Project/Area Number |
04680009
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山際 啓一郎 静岡大学, 理学部, 教授 (50021952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 雅慶 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (90163576)
三重野 哲 静岡大学, 理学部, 助教授 (50173993)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | プラズマにおける波 / 非線形波動現象 / 不安定波動 / 電子ビーム・プラズマ系 / 成長率 / 非線形発展 / ソリトン的構造 |
Research Abstract |
非線形分散系における高周波モードの非線形構造については、zakharovによる研究以来、多くの研究が行なわれている。これに対して、ビーム波のように分散性が少ない不安定な波の非線形構造に関する研究は始まったばかりである。本研究では、電子ビーム波の振舞いを観測して、不安定波動の非分散性非線形構造の形成過程における特徴を明らかにした。以下に、主な研究結果を報告する。 (1)山際らは、電子ビーム・プラズマ系において、微小な摂動から成長した電子ビーム波が、ビームの走行路に沿って線形的に成長し、更に発展して非線形的に飽和する過程を観測した。この実験から、波動の包絡の空間的な構造が、線形成長率k_iに依存した特徴的な式k_isech[k_i(z-z_o)]で表現できる孤立波構造を形成することを発見した。 (2)田中は、電子二流体不安定性の非線形構造の形成に関して数値計算を行い、非線形の時空構造が線形不安定性と非線形性による抑制効果との競合により形成し得ること確認した。この計算結果は、実験事実と符号する。一般に知られている非線形性と分散性がバランスして安定な包絡ソリトンを形成する場合(Zakharov理論)と異なるところである。 (3)まとめると、分散性が弱い電子ビーム波は、はじめ線形的に成長した後、非線形的に飽和し、線形成長率k_iで記述される非線形構造を形成する。既ち、通常のソリトンでは、ソリトンの分散を満たせば任意の振幅のものが許されるが、不安定系の場合には、プラズマの性質によって一義的に決まる構造が形成される。この意味で、本研究で発見した孤立波構造は、非線形不安定系の基本励起としての役割を担っているのではないかと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)