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¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
現在,パイオニア10,11号及びボイジャー1,2号人工惑星が太陽圏プラズマの外圏へと飛翔しつつあり,太陽圏プラズマの巨視的構造の研究は大変重要となって来ている。太陽は自転するプラズマ球であり,その周辺にヘリカル磁場をつくる。このヘリカル磁場は太陽コロナから惑星間空間へ放射状に流出する太陽風プラズマに定常的に運ばれ,太陽圏外圏へと達する。外圏では太陽風プラズマと星間ガスの相互作用により,太陽風プラズマ終端衝撃波をつくり,その外側では亜音速となり,更に太陽からの距離とともに急激に減速する。これに伴い,太陽風プラズマにより運ばれて来たヘリカル磁場は減速となった領域に蓄積され,磁場構造は増大する。このため磁場圧力が効き,プラズマ流の方向を自転軸方向へと曲げることとなる。以上の物理過程をMHDシミュレーション解析により明かにすることが出来た。更に,このプラズマ流は自転軸に沿って更に外側へと流出するコリメートされた形状となり,軸の周辺のヘリカル磁場によりピンチされつつ伸びて行くことが見出された。このため太陽圏外圏構造は軸に沿って長く伸びた、従来の研究では考えることが出来なかった形状となることを見出した。以上は2次元解析の結果である。これと並行に3次元解析も行った。3次元配位では太陽自転軸と星間ガスの流れの向きを任意にとることが出来,観測から想定されている角度をとることが出来る。この結果,終端衝撃波のすぐ外側で軸に沿って自己ピンチ効果により南北両方向にコリメートされたプラズマ流が出来る事情は2次元の場合と同じであるが,これが遠くでは斜めに吹く星間ガスの影響により,南北両方向にコリメートされた2本のプラズマ流が星間ガスの下流方向へと方向を変えることにより,2本のプラズマ流が太陽圏外圏尾部に形成されるという複雑な構造になることを見出した。
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