プロテインキナーゼとGTP結合蛋白質による遺伝子発現の制御機構
Project/Area Number |
04680192
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
代謝生物化学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
貝淵 弘三 神戸大学, 医学部, 助教授 (00169377)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ras p21 / 細胞増殖・分化 / smg GDS / GDP / GTP交換反応 / トランスロケーション / MAPキナーゼ / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
最近の私共や他の研究室の解析により、ras p21が遺伝子発現系を介して細胞の増殖や分化を制御していることが明らかになりつつある。本年度は、ras p21の活性制御機構を明らかにするとともにras p21の標的蛋白質の同定を試み、以下の結果を得た。ras p21にはGDP結合型の不活性型とGTP結合型の活性型が存在しており、GTP結合型が標的蛋白質に作用すると考えられる。私共はすでに、smg GDSがras p21のGDP/GTP交換反応を促進することを明らかにしている。ras p21は細胞膜結合能を有するが、本年度、私共はsmg GDSがras p21と複合体を形成してras p21の細胞膜への結合を阻害することを明らかにした。また、あらかじめ細胞膜に結合させたras p21にsmg GDSを作用させると、ras p21が細胞膜から解離することも示した。したがって、smg GDSはras p21のGDP/GTP交換反応を促進するのみならず、ras p21の細胞膜から細胞質へのトランスロケーションも促進すると考えられる。最近、ras p21が細胞レベルでMAPキナーゼを活性化することが報告されているが、本年度、私共は、ツメガエル卵の細胞質画分にKi-ras p21に依存してMAPキナーゼを活性化する因子が存在することを明らかにし、これをREKSと命名して部分精製した。REKSは分子量150kDaの蛋白質で、細胞質に存在していた。ras p21はそのC末端に脂質による翻訳後修飾を受けることが知られているが、Ki-ras p21がREKSを活性化するのにこの翻訳後修飾が必須であった。本年度の私共の研究結果から、ras p21の活性制御機構とその標的蛋白質について着実な成果をあげることができ、本年度の研究計画はほぼ達成することができたと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)