XP-A細胞の紫外線高感受性の原因となる二つめの修復遺伝子
Project/Area Number |
04680217
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
森 俊雄 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (10115280)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 色素性乾皮症 / XP-A / シクロブタン型ダイマー / (6-4)型ダイマー / Trp-P-1 / 修復阻害 |
Research Abstract |
色素性乾皮症相補性A群(XP-A)患者由来細胞の紫外線高感受性の原因がXPAC遺伝子に加えてRinaldyの修復遺伝子も関連するかを明らかにするために、二つの遺伝子の内、片方づつおよび両方の遺伝子(あるいは染色体)を導入したXP-A細胞の樹立をRinaldyグループに依頼し、成功した。しかしながら、これらの細胞は日本国内では増殖しないことが判明した。現在、新たに京大グループに細胞樹立を依頼しているが、現時点では未だ成功していない。 一方、食物の焼焦げ中に生成されるTrp-P-1は突然変異性・発がん性を示すことが知られているが、下位らは大腸菌において、Trp-p-1が自らは突然変異性を示さない濃度で、紫外線誘発突然変異率を増強することを見つけた。私は早速、紫外線誘発DNA損傷の修復に及ぼす薬剤の影響についてモノクローナル抗体法を用いて検討した結果、Trp-P-1はシクロブタン型ダイマーと(6-4)型ダイマーの両方を濃度依存的に修復阻害することが明かとなった。また、大腸菌は哺乳類細胞と同様に、(6-4)型ダイマーの方を素早く修復することも判った。また、Trp-P-1はチャイニーズハムスター由来培養細胞においても修復阻害作用を示すことが明かとなったが、阻害のために大腸菌の場合の10倍の濃度を必要とした。また、予備的段階だがシクロブタン型ダイマーの方が阻害され易い傾向がみられた。ところで、Cleaverらが樹立したXP-A revertant細胞は(6-4)型ダイマーはほぼ正常に修復するが、シクロブタン型ダイマーは部分的にしか修復できない。また、XP-A revertant細胞はXPAC蛋白が正常の3割しか産生されていないことが知られている。これらの結果は、修復阻害や修復蛋白量の減少によって細胞の修復力が減少した場合、(6-4)型ダーマーがシクロブタン型ダイマーに比ベて優先的に修復される事を示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)