Research Abstract |
近似代数計算とは,数式処理の巖密計算を,許容誤差を許して実行し,対家とする方程式の解について,有用な情報をえる算法である.一例としてM.Gardnerの提出した三角形を四等分する問題に適用して好結果をえた.ひきつづいて,チルンハウス変換を利用した3次,4次代数方程式の解法に適用してみた.3次の場合は,古典的なカルダノの解法と同じであることがわかったが,4次の場合はフェラリの解法とは別種の技法である.いくつかの実例に対して好結果をえたが,数値的に微妙な問題を生じる実例に関する完全な追求には検討すべき課題が残り,今後の研究にまつことになった. 本研究費補助により,有力な数式処理システムMAPLEを購入することができ,本研究だけでなく,諸種の研究のために有用な手段となった.残念なことに,代表者が海外出張中に追加交付の連絡を受け,実質的に帰国後3ヶ月の研究期間しかなかったため,十二分の成果を挙げえなかったが 研究の萌芽として興味ある題材をいくつかえることができ,予備的な一応の成果をえることができたと信じる.精度評価の自動化などには,有用な印象である. 今後の課題として,上述の数値的に敏感な問題への対処のほか,大規模な連立代数方程式など具体的な問題への応用例をつみ重ね,またそのために有用な補助のソフトウエア開発を考える予定である.
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