遷移状態分光による化学反応のポテンシャルエネルギー曲面の直接決定
Project/Area Number |
04804032
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
見附 孝一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (50190682)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 化学反応遷移状態 / 反応速度 / ポテンシャルエネルギー曲面 / 質量分析 / 光電子分光 / 光イオン化 / 真空紫外光 / 光脱離 |
Research Abstract |
1.分子A,Bの溶媒和状態A(Solv)m,B(Solv)n(Solv=水、アンモニア、アルコール等;m,n=1,2…)について、それらが起こす化学反応の遷移状態(AB)^≠(Solv)m+nを直接的に観測するための実験装置を製作した。 (1)運動エネルギーを規定した負イオンクラスター(AB)^-(Solv)m+nの強いビームを気相中に生成し、飛行時間質量分析法で溶媒分子数を選別した。負イオンクラスターにYAGレーザー高調波(355,266nm)を照射して光脱離を起こし、放出電子のエネルギー分析を行った。得られた光電子スペクトルに基づき(AB)^≠(Solv)m+nの振動状態を解析した。本年度は特に(N_2O)_nO^-クラスターについて研究を行った。 2.軌道放射光に含まれる真空紫外光で分子を励起して、それらが負イオンと正イオンに解離する過程について研究した。ハロゲン化メチルからのH^-および二酸化硫黄からのO^-の光解離効率曲線を測定し、これまで知られていなかった多くの中性超励起状態(おもにリュードベリ状態)を検出し、さらにそれら超励起状態の光解離のダイナミックス(中性断片への解離や自動イオン化との競争など)について有用な情報を得た[J.Chem.Phys.96,7500(1992);Org.Mass Spectrom.28巻、印刷中]。 3.光励起イオン対生成過程に関してより多くの知見(例えば解離の際の運動エネルギー放出、3体解離の分岐北等)を得るために、新しいタイプの粒子同時計測技術を開発した。光イオン化現象に対して光電子・正イオンや正イオン・正イオン同時計測法を適用した例はこれまで数多く報告されているが、正イオン・負イオンの同時計測については報告例がない。今回、酸素分子と水素分子からのイオン対生成過程についてこの方法を適用し、前期解離を引き起こすリュードベリ状態の対称性などについて議論した[Zeit.Phys.D26巻、印刷中]。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)