Project/Area Number |
04804052
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態学
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡辺 泰徳 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20112477)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手塚 修文 名古屋大学, 農学部, 助教授 (10109316)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 近紫外線 / 植物プランクトン / 光合成 |
Research Abstract |
本研究では、近紫外線が植物に与える影響のうち生態学的に重要と考えられる光合成生産と成長速度に対する阻害効果を中心とりあげた。近紫外線に対する生理的反応については生育型の異なる植物プランクトン、水生植物、陸上植物での比較研究を行い、生態学的問題の基礎となる知見を得た。 諏訪湖などの富栄養湖での研究からは、植物プランクトンの光合成は320-400nmの近紫外波長の成分によって阻害を受け、特に表層では1日の生産量の50%以上が減少することがわかった。また、これがこれまで光合成の強光阻害といわれ広く認められていた現象の主要因であること、阻害の起こる水深は水中のクロロフィル濃度および腐植質などの溶存有機物濃度と関連することが明らかになった。一方、近紫外光の存在下で、緑藻を連続的に培養したところ、対照に比べてクロロフィル合成が盛んになり、光合成の阻害が解消された。このことから植物プランクトンの生産にとって近紫外線による阻害の有無には光前歴が大きく影響することが示唆された。水生植物に近紫外光を当てて生育させると約340nmにピークを持つ紫外線吸収物質が形成されることが認められ、防御効果の観点から解析中である。陸上植物についてはトマト・ナス等の作物の成長と果実の成熟に近紫外線が大きな促進効果を持つこと、その効果は可視光と近紫外光の量的バランスによって決定されることが見いだされた。近紫外光が多すぎると成長・生理活性は阻害されたが、一定量以下では葉の柵状組織が長く太くなり、クロロプラストやミトコンドリア等の細胞内顆粒レベルでの代謝活性が促進される。以上の成果は学会発表を行いまた、誌上発表を準備している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)