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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
不連続面を有する岩盤斜面の安定性の評価に,赤外線放射温度計を用いて,危険な不連続面の抽出,特定化を試みた結果,以下のことが明らかにとなり,実際への適用性が高まった。すなわち, 1.岩盤斜面内で浸透水の存在や湧出個所の特定化は,赤外線放射温度計の経時的な温度分布の計測がきわめて有効となった。加えて,とくに,凍結一融解個所についても迅速に,正確に認識できることが明らかとなった。 2.その結果,岩盤斜面内で最も危険視しうる不連続面の抽出,岩盤斜面全体の安定性に強く影響する卓越した不連続面の抽出などが,従来の調査法に比べて,より客観的に,より高精度に実施できることが明らかとなった。また,不連続面の抽出ばかりでなく,落石が危険視される岩塊とその周辺の状況も,かなりの精度で抽出可能となった。 3.以上の成果は,岩盤斜面の安定性の評価法として注目されている個別要素法に組み込まれることにより,対象の岩盤斜面の安定度やその崩壊メカニズムの定量化に大きく貢献することになった。したがって,対策工の種類や規模決定も容易になり,今後の成果が注目される。 このように,赤外線放射温度計による岩盤斜面の安定性への試みは,きわめて有望となり,幾つかの課題(これも本研究で明らかとなったが)を解決すれば、実務への適用性はきわめて高くなったと言って過言ではない。
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