ヒト胃癌の進展に伴なう細胞増殖の場の変化と浸潤に関する分子病理学的研究
Project/Area Number |
04807023
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
細川 洋平 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (60137130)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | ヒト胃癌 / 細胞増殖 / 増殖の場 / 浸潤と転移 / PCNA / プラスミノーゲンアクチベーター / in situ hybridization法 |
Research Abstract |
材料と方法:本研究を遂行するにあたり、生検された良性腺腫10例、胃癌および切除されたヒト胃癌30例のホルマリンあるいはパラホルムアルデヒドを用いた。細胞増殖能についてはPCNA、Ki-67抗原に対する抗体を用いてその陽性率を免疫組織化学的に算出し検討した。癌細胞の浸潤・転移能については、線溶活性化因子であるウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(u-PA)がプラスミンを介してプロコラゲナーゼを活性化し細胞外基質を溶解することで、癌の浸潤、転移に関与すると考えられているので、u-PAの局在と発現をそれぞれ免疫組識化学法およびin situ hybridization(ISH)法を用いて検討した。ISH法によるu-PA mRNAの検出にはまずプローブの作成から検討を行い、感度の高いものを得た。 結果:(1)細胞増殖能の検討;PCNAあるいはKi-67免疫染色で陽性となる増殖能を有する細胞は腺腫では粘膜表層に分布密度が高く、一方癌腫では病巣全体に高い密度で分布しつつかつより深部にまで高密度で分布することが明かになった。また、粘膜下層以下に浸潤する場合、先進部の癌局所でより高い陽性率が得られた。(2)浸潤能の検討;免疫組織化学的にもISH法にてもu-PAは癌細胞の細胞質、とくに核の近傍に顆粒状に発現した。陽性細胞は一般に癌腫辺縁に多く出現した。しかしながら、マクロファージ様細胞および間質の紡錘形細胞にも時に陽性所見を得た。即ち、癌細胞自身が産生し、周囲に分泌しながら浸潤転移能を高めて行く機序が示唆された。 現在、PCNAあるいはKi-67による増殖活性とu-PAによる浸潤能の二つのパラメーターを同時に観察する方法を開発中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)