分子生物学に基づくサイロトロピンレセプター自己抗体の解析及び産生機序の研究
Project/Area Number |
04807174
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
遠藤 登代志 山梨医科大学, 医学部, 講師 (00152017)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | バセドウ病 / TSHレセプター / 自己抗体 / 合成ペプチド / ELISA |
Research Abstract |
バセドウ病はサイロトロピンレセプター(以下TSH・R)自己抗体により惹起される疾患であり、この抗体の解析並びに産生機序の解明は本疾患の診断・治療に極めて重要な課題である。 我々はバセドウ病患者におけるTSH・R抗体の認識部位が特定領域に限定されているか、又は複数存在するかを以下の2つの方法により検討した。その第一の方法として、TSH・R自己抗体のリコンビナントTSH・Rに対する反応性を従来の豚甲状腺細胞とのそれと比較した。その結果、TSH・R自己抗体には、ヒト・リコンビナントTSH・Rを特異的に刺激するもの、両者をほぼ同程度刺激するもの、豚甲状腺細胞をより強力に刺激するものに分類可能であることが判明した。これは、TSH・R自己抗体のエピトープが決して単一でない事を示すものであるが、これら各型の自己抗体とバセドウ病の病態・経過との間には明確な関連は見いだせなかった。第二の方法として、ヒトTSH・Rの種々の部位に対する合成ペプチドに対する自己抗体の反応をELISA法により検討した。バセドウ病におけるTSH・R自己抗体は、細胞外領域N端部位ペプチド(Nペプチド)、中央部位ペプチド(Cペプチド)、膜貫通近傍ペプチド(Pペプチド)のいづれにも反応し、症例間によりその認識の程度に差が認められた。 以上の結果より、TSH・R自己抗体のエピトープは複数存在する事が明らかとなった。従って今後自己抗体の解析には個々の症例につき詳細に検討することが必要である事を示唆するものである。また、TSH・R自己抗体の解析にはヒトTSH・Rを使用することが極めて重要であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)