Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1992: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
ヒトの口蓋裂(以下CP),唇裂/口唇口蓋裂(以下CL/CLP)は,1942年にFogh-Andersenによって疫学,遺伝学および発生学的にもCPはCL/CLPと本質的に別の疾患であるとされ,今日まで広く支持されている。一方,これまでマウスを用いた口蓋裂原因遺伝子の探索は,A/Jマウスの裂奇形パターンがCPとCLPをほぼ3:7の割合で発症するにもかかわらず,A/Jをいわゆる"口蓋裂マウス"と誤って認知し,表現型としての裂奇形パターンをCPとCL/CLPに分類せずに遺伝解析がなされてきた。申請者はCF#1マウスがCPのみを3%の頻度で自然発症することを見出し,平成4年度はデキサメタゾン投与によってもCPのみを92%の頻度で発症し,CLおよびCL/CLP の発症は認められないことを確認し、さらにCF#1マウスのアイソザイム,蛋白多型など種々の遺伝的プロファイルを明らかにした。 平成5年度はCF#1,A/J,C57BL/6およびこれらM.m.domesticusとは亞種の関係にある日本産野生マウス(M.m.molossinus)由来のKor(郡山)およびAkt(秋田)を用いた種々の交配とデキサメタゾン誘発実験を組み合わせ,CPの原因遺伝子の探索を行った。 その結果,以下のことが示唆された。1.マウスにおいてもCPとCL/CLPの原因遺伝子はヒトと同様に異なっている。2.日本産野生マウスには口蓋裂発症を強力に抑制する遺伝子が存在する。3.C57BL/6はこれまでCP低発系統とされていたが、CP発症の抑制力は日本産野生マウスより弱く、複数存在すると考えられているCP発症の原因遺伝子のうちマイナー遺伝子はC57BL/6などのM.m.domesticusに共通して存在する。
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