新しい蛍光ラベル化リガンドを用いたエンドサイトーシス研究とその素過程変異株の分離
Project/Area Number |
04808044
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物物性学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村田 昌之 京都大学, 理学部, 助手 (50212254)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | エンドサイトーシス / 低密度リポタンパク質 / リソソーム / エンドソーム / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 変異株細胞 / セルソーター |
Research Abstract |
本研究は、真核細胞のエンドサイトーシス過程における細胞内輸送に関与する細胞側因子(細胞装置)を分子遺伝学的に同定し、その分子機構解明を目的としている。本年度は、エンドサイトーシス素過程の内、特に、後期エンドソームからリソソームへのリガンド(低密度リポタンパン質)の移行過程(リガンドのソーティング)に変異を持つ細胞を簡便、迅速に効率よく分取するため、また、そのようにして得た変異「生」細胞中のLDLの分解を定量的にアッセイするための方法を確立できた。具体的には、低密度リポタンパク質(LDL)内にNBD-リノール酸エステル(NBD-LE)とR18(ローダミン系脂質アナログ)を再構成法により封入し、受容体媒体エンドサイトーシスによりCHO細胞に取り込ませた。この時、エンドソーム内のLDLではNBD-LEとR18に蛍光共鳴エネルギー移動(RET)が生起していて2つの蛍光強度化(NBD/R18)は小さい。しかし、リソソーム内に移行してLDLが分解されると、2つの蛍光色素間の相対的距離が大きくなり、RETが解消し、[NBD/R18]の値が大きくなる。蛍光ラベルしたLDLを取り込ませ、その細胞をNBDとR18の蛍光を同時に蛍光測光可能なセルソータを用いて分析すれば、個々の細胞の蛍光はそれから得られる蛍光強度比[NBD/R18]の値に対応して、2次元モニター上に個々の点としてプロットされる。[NBD/R18]のプロットの分布の仕方で、LDLの後期エンドソームよりリソソームへの移行の程度が定量的に解析できた。[NBD/R18]の値が小さい1つのプロットは、つまり、RETが解消されていない細胞1個に相当するので、これをセルソータにより分取すれば、この条件でのこの輸送過程に変異を持つ変異株を生きたまま分離することが可能である。これとは別にコレステロール生合成阻害剤であるプラバスチンとプロモデオキシウリジンを用いたネガティブ選択法により、LDLの細胞内での分解に異常を持つT41細胞を、CHO-K1細胞を野生株として得ることに成功したが、このT41内のLDLの分解の遅さを上記セルソータを用いた方法で定量的に解析できた。 今後は、このような変異株の分取を本方法にて行い、その分子遺伝学研究を進めたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)