Project/Area Number |
04832001
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会システム工学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
早坂 洋史 北海道大学, 工学部, 助教授 (40142195)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | プール火災 / サーマルカメラ / 放射熱 / 火炎構造 / 統計解析 / 燃料 / 渦域 / プリューム |
Research Abstract |
三種類の燃料(ヘプタン、灯油、原油)と2.7mの正方形タンクを使って、プール火災実験を行い、サーマルカメラによる0.1秒間隔で撮影し、熱画像データを蓄積した。熱画像データの解析にあたって、最初に、サーマルカメラで得た、みかけの温度から放射熱への変換式を導出した。次に、複数データ(各燃料70枚の熱画像データ)の統計解析により求めた、平均放射強度、標準偏差、変動係数の各分布図を得て、以下のことが明かとなった。1.最大放射強度を示す位置が、ヘプタン、灯油、原油の順に、タンク上面より約0.5D,0.2D,0.2Dの高さであること(Dはタンク直径)、2.火炎と空気とが渦を作りながら流れる火炎端の位置を標準偏差の分布図上に示すことのできること、3.火炎の安定燃焼域や燃焼域から間欠的に大きな火炎の固まりが時々通過するプリューム域下端の位置を変動係数の分布図上に示すことのできること、4.3の標準偏差の分布図の考察から、燃焼、間欠、プリュームの各領域を確定できること。これらの結果を、従来法による火炎構造の検討法と比較検討することで、本手法の妥当性を確かめた。次に、従来法では、高さ方向のみの考察した出来なかった燃焼域について、半径方向の広がりについても、変動係数の分布図から考慮して、渦域の領域を除いた、純然たる燃焼安定域を求めた。そこから射出される放射熱についての解析を進めた結果、この領域からの放射熱は、ほぼ一定の値であり、その割合は、三種の燃料共に、全体の放射熱の約25%であることがわかった。最後に、渦域の領域の変動が燃焼域での主な変動の原因であり、この渦域での変動が燃料蒸発速度に変化をもたらしているものと、推測できた。この結果、燃料の蒸発→空気との混合→燃焼→放射熱の発生→液面への放射熱の供給→燃料の蒸発というプール火災火炎での放射熱のフィードバック機構において、渦域の変動が重要であることが明かになった。
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