Project/Area Number |
04833018
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子細胞生物学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 悦啓 大阪大学, 医学部, 教授 (80191667)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 核局在化シグナル / 熱ショックタンパク質 / 核タンパク質輸送 / 核タンパク質 / マイクロインジェクション法 / 核膜孔 |
Research Abstract |
これまで本研究者は、核タンパク質が核内に輸送されるために必要な配列である核局在化シグナルに特異的に結合するタンパク質として分子量69kDaの分子(p69)を同定し、完全精製することに成功していたわけであるが、その完全精製したp69の部分アミノ酸配列を決定したところ、熱ショックタンパク質の1つである70kDa heat shock cognate(hsc70)であることが明かとなった。精製hsc70に対する抗体を核タンパク質とともに培養細胞の細胞質にインジェクションすると、その核タンパク質の輸送は特異的に阻害された。さらに、この抗hsc70抗体の持つ阻害活性はヒトhsc70遺伝子を大腸菌で発現させて得られたhsc70タンパク質によって吸収されることから、hsc70に特異的であることが明かとなり、hsc70が核タンパク質の核内移行に重要な働きをしていることがin vivoで初めて示された。次に、hsc70の核タンパク質輸送における重要性を明確にし、その役割を明らかにするために、培養細胞をジギトニンで処理し、細胞質抽出液を反応系に加えるというsemi-intact細胞によるin vitro系を利用した。反応系に加えるべき細胞質抽出液を抗hsc70抗体を用いて処理し、hsc70を吸収した。hsc70を吸収した細胞質抽出液には核タンパク質を核内に輸送する活性はほとんどなく、精製hsc70を再添加することによりその活性は吸収前のレベルにまで回復した。このことから、hsc70が核タンパク質の輸送に関与していることがin vitro系において再確認された。さらに、このin vitro系において、核タンパク質の輸送が誘導された時、hsc70の局在がどうなるかを調べた。核タンパク質の核内への輸送がみられる条件下で細胞を固定し、間接蛍光抗体法を用いてhsc70の細胞内局在を調べたところ、核タンパク質と同様に核内に局在していた。このことからhsc70が核タンパク質と挙動を共にすることによって核タンパク質輸送に関与していることが示唆された。
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