低分子量GTP結合蛋白質とその調節蛋白質のシナプスにおける機能と作用点
Project/Area Number |
04833020
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子細胞生物学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
溝口 明 神戸大学, 医学部, 講師 (90181916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 章 神戸大学, 医学部, 講師 (10204827)
井出 千束 神戸大学, 医学部, 教授 (70010080)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 低分子量GTP結合蛋白質 / rab 3A / smg p25A / rab GDI / rabphilin / シナプス / アクティブゾーン / シナプス小胞 / 神経伝達物質放出機構 |
Research Abstract |
最近、ras類似低分子量GTP結合蛋白質のなかでrabサブファミリーに属す約40種類の蛋白質が、細胞内小胞輸送の制御に普遍的に関与することが、ほぼ決定的となっている。私共は、神経伝達物質を蓄積するシナプス小胞にrab 3A/smg p25Aが主要構成蛋白質の一つとして存在することを明らかにしてきた。そこで、本年度はrab 3Aのシナプス内の局在を免疫電顕により解析すると共に、rab 3Aの調節蛋白質として同定されたrab GDI(GDP解離抑制蛋白質)およびrab 3Aの標的蛋白質として同定されたrabphilinの局在をも合わせて解析し、次の結果を得た。 (1)rab 3Aの局在 rab 3Aは、前シナプス形質膜の中でも、シナプス小胞開口分泌位置であるアクティブゾーンに一致した領域(直径約0.2μm)に特に蓄積し、またアクティブゾーン直上の数個のシナプス小胞にも蓄積していた。しかし、その他の部位にある前シナプス形質膜やシナプス小胞にはほとんど検出されなかった。(2)rab GDIの局在 rab GDIは、前シナプス形質膜にもっとも強い蓄積が認められ、また前シナプス形質膜近傍の細胞質マトリックスにもその存在が認められた。(3)rabphilinの局在 rabphilinは、前シナプス形質膜の一定領域とその直上の数個のシナプス小胞に存在が認められた。 以上をまとめると、rab 3Aとrabphilinは開口分泌直前の位置に分布するシナプス小胞と開口分泌で融合するアクティブゾーンの前シナプス形質膜に共存し、両蛋白質がシナプス小胞を開口分泌部位に空間的に誘導する可能性が示唆された。一方rab GDIは、その局在から、開口分泌後rab 3Aを前シナプス形質膜からcytosolへ再回収する可能性が示唆された。このように、私共の研究結果から、シナプスにおける低分子量GTP結合蛋白質の作用点と作用機構に関して着実な成果を上げることができ、本年度の研究計画はほぼ達成することができたと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)