小惑星進化のタイムスケール:衝突隕石の化学(元素・同位体)からのアプローチ
Project/Area Number |
04835010
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
惑星科学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 昇 神戸大学, 理学部, 教授 (90030791)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 小惑星進化 / 隕石母天体 / 衝突隕石 / 化学組成 / 同位体 / 年代決定 / 衝突過程 / アイソクロン年代 |
Research Abstract |
隕石の衝突年代の決定と化学分化の特徴を明かにする目的で、衝突隕石(チコ、オルビーノ、モドック)と非衝突隕石(アエンデ)を成分分離あるいは鉱物分離をし、化学分析とストロンチウム同位体分析をした。その結果、現在までにチコ隕石については、5億6千万年という精密な内部アイソクロン年代が求まり、オルビーノ隕石についても11億年が得られた。また、アエンデ隕石のコンドルールについては形成年代より若い年代(38億年)が得られた。モドック隕石については鉱物分離まで終了し、現在同位体分析を進めている。 チコ隕石の年代は、以前本研究者らが報告したポイント・オブ・ロックス隕石の年代データと共にL-グループ隕石の大規模衝突溶融事件を証拠ずける新な証拠であり、先の結果をさらに補強する重要な結果である。チコ隕石の若い年代もL-グループとしては初めてのアイソクロン年代であり、若い衝突事件を証拠ずけるものとして注目される。非衝突隕石として知られる始源的炭素質隕石のアエンデで若い変成年代が得られたことは重要であり、今後他の炭素質隕石も調べる必要がある。 チコ隕石については、同位体希釈質量分析とICP分析により、精密な元素分布が得られた。その結果、希土類元素は衝突溶融の影響が見られないが、アルカリとアルミニュウムの不均一濃集と元素の相関及び親鉄元素の欠乏と元素分別が見られた。 以上のように、精密化した分析手法で小惑星の衝突進化・変成事件のタイム・スケール及びそれらの事件に伴う化学分化の特徴の一端が明かなった。今後さらに分析例を増やすことが重要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Torigoye,K.K.Yamamoto,K.Misawa,N.Nakamura: "Compositions of REE,K,Rb,Sr,Ba,Mg,Ca,Fe,and Sr isotopes in Antarctic “unique"meteorites," Proc.NIPR Symp.Antarct.Meteorites. 6. (1993)
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