Project/Area Number |
04835013
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
惑星科学
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
海老原 充 東京都立大学, 理学部, 助教授 (10152000)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | オーディナリコンドライト / 非平衡 / 始原性 / 揮発性元素 / 希土類元素 |
Research Abstract |
平衡コンドライトは岩石学的分類で4から6の番号をもつのに対し、非平衡コンドライトは、オーディナリ・コンドライトに限定すれば岩石学タイプ3限定される。1つの分類番号を持つにもかかわらず、非平衡の程度の差は大きく、従って3.0から3.9までに細分類することが堤案され、現在ではこの細分類番号を付すのが通例である。この細分類では3.0が最も非平衡の程度が大きく、3.9が最も小さい。従来、この分類の基準として、熱ルミネッセンスの強度(以下TL強度と略記)が堤唱され、広く用いられてきた。この方法は測定は容易であるものの、解釈の点で十分理解されているとは言えず、他の独立の方法との対比が求められてきた。本研究はこのような状況を踏まえて行なわれた。 本研究では始原性の評価を2つの異なる角度から考察した。1つはインジウムに代表される、いわゆる揮発性の高い元素の全岩試料中における存在度である。分析ではインジウムの他、亜鉛・銅を測定し、これら3元素の存在度を中性子放射化分析法で求めた。もう1つは、酸で不溶な鉱物相中の希土類元素存在度を求め、そのコンドライト隕石における含有量との相対存在度に基づいて考察する方法である。前者の揮発性の高い元素の存在度には大きな変動のあることが明らかとなったが、その大小と始原性(非平衡性)との間には必ずしも良い相関がなく、これら元素の含有量はコンドライト母天体形成以前に既に決まっていたものと考えられる。一方、希土類元素存在度は非平衡コンドライト間で、その分配において大きな変化を生じていることが明らかとなった。さらにその相対的な変化を類値化して求めたパラメターは、始原性を示すパラメターとして求いうることも示唆された。ただし既存のTL強度に基づく始原性のインデックスとは必ずしも整合性が得られず、この不一致に関しては今後の研究による解明が待たれる。
|