Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究は中国黄土高原下流域に位置する陝西省洛恵渠灌区洛東地区を対象として実施した。 地下水位調査及びそのイオン分析結果から,地下水EC値(ECw)は地下水位の上昇に伴い高くなる傾向が確認された。特に,地下水位が3m以浅の井戸のECwは顕著に高い。多重回帰分析によって,ECwに及ぼす陽イオンの影響順位はCa^<2+>>Na^+>Mg^<2+>>K^+,陰イオンの影響順位はCl^->NO^<3->>SO_4^2であった。また,地下水イオンの分析結果をトリリニアダイアグラムで表すことにより,全体的にNa^+が陽イオンの多くを占めていること,水深が深い井戸では陰イオンに占めるHCO_3^-の割合が高くなっていること等が明らかになった。SAR, RSCともに,危険度の高い井戸が全体の約40%を占めており,渇水時の補助灌漑としての地下水利用は土壌のナトリウム化,アルカリ化を進行させる危険性をはらむ。 土壌の塩類集積状況については,表層土の塩類の集積量および組成は面的に多様な分布状況を示し,それらは地形,土壌の物理的性質(土性,排水性)の分布とよく対応していることが明らかとなった。本地域は洛河による河岸段丘が複数面形成されているが,最も年代の古い上位段丘面は粘質で排水性が悪く,塩類集積の危険性が非常に高いと判定され,大量の塩類集積箇所が局所的に点在している。一方,下位段丘面は,砂質で透水性にすぐれ,塩類の集積量は少なかった。しかし,ナトリウム割合の高い塩類組成で,8〜8.5の高い土壌pHを示し,アルカリ化の進行が認められた。リンゴ,ナツメ等の落葉果樹の大半にはアルカリ化に伴う障害が発生していた。これらの結果から,地域内における灌漑・土壌管理は,決して画一的に行うのではなく,地形,土性に適応させて行う必要のあることが明らかとなった。
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