地殻の加水軟化と塑性不安定性に関する研究:再結晶石英顕微赤外マッピング法の開発
Project/Area Number |
04J03130
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武藤 潤 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 再結晶石英 / 水素欠陥 / 石英c軸ファブリック / 顕微赤外反射測定 / 地震電磁気現象 / 摩擦発光 / アスペリティ / フラクタル / 畑川マイロナイト / カソードルミネッセンス / 微形連続体理論 |
Research Abstract |
1.加水軟化に伴う再結晶石英c軸ファブリック転移 赤外反射分光マッピング法と石英の微細変形組織観察から、畑川マイロナイト中の再結晶石英多結晶体のc軸ファブリックが多結晶体中のH2O、OH増加に起因する可能性を報告した。Muto et al.(2004;J.Microscopy 216,222-228)で報告した再結晶石英多結晶体の赤外反射分光マッピング測定結果と石英c軸ファブリックの測定から、畑川破砕帯で見出されたタイプIクロスガードルからY集中へのファブリックパターンの転移は含水(H2O、OH)量の増加によって引き起こされる可能性がある。通常、このファブリック転移は、変形時の温度上昇によって説明される。しかし、畑川破砕帯新田川流域においては、変成鉱物から推定される変形温度とファブリックによって推定される変形温度は一致しない。このファブリック転移は、稜面<α>すべりから柱面<α>すべりへの優先すべり系の転移によって引き起こされる。水欠陥の増加が、柱面<α>すべりの最大分解剪断応力を低下させ、稜面<α>すべりから柱面<α>すべりへの優先すべり系の転移をさせ、石英c軸ファブリックのタイプIクロスガードルからY集中へのファブリック転移を引き起こしたと考えられる。 2.石英-石英間の摩擦発光に関する研究 地震電磁放射機構を明らかにするために、断層アスペリティの動きを模擬したピンオンディスク法を用いて、天然石英-石英間の摩擦による発光が、低応力・低すべり速度でも起きることを明らかにした。また、発光のサイクルが電磁放射を引き起こす可能性を指摘し、地震電磁気現象の一機構となり得ることを指摘した。さらに、断層アスペリティのフラクタル分布特性から、アスペリティ剪断に伴うこれらの研究成果の一部を国際会議および国際誌で報告した。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)