Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
次世代の超高分解能X線分光観測を目指して開発を行っているマグネティック型マイクロカロリメータの性能向上を重点的に行った。現在、世界的にもマグネティック型マイクロカロリメータの性能は読み出し素子(超伝導量子干渉計SQUID)のノイズで制限されている。そこで、前年度のX線検出の結果を基にして詳細なシミュレーションを行うことで、より低いノイズレベルの実現と信号の伝達効率の向上を図った新しい読み出し素子の設計と製作を行った。特に、将来の撮像観測に必須となる素子のアレイ化を目指して16素子(2×8)のアレイを世界に先駆けて実現した。さらに、このアレイに検出素子を搭載するための半導体プロセスを確立し、そのためのフォトマスクの設計と製作を行った。また、将来の超高分解能のγ線分光観測を目指したγ線用TES型マイクロカロリメータのパラメータの最適化、この最適化によって得られた高い分光性能と世界最速の応答速度、それらに加えてγ線用TES型カロリメータの潜在的な可能性ついて国際学会で発表し、高い評価を得ることができた。その際に、撮像に必要なアレイ化実現のために他グループとの議論を行い、それを基にして半導体プロセスを活用して効率良くアレイを作成する手法を考案するだけでなく、実際にそのためのフォトマスクの設計と製作を行った。一方、観測的研究においては、日本のX線天文衛星すざくの衛星運用を行うことで観測データの取得と運用に貢献した。
All 2006 2004
All Journal Article (2 results)
Nuclear Instruments and Methods A (出版予定)
Japanese Journal of Applied Physics 43・9A
Pages: 6477-6477