Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
研究期間最終年度である本年度は今までの成果を投稿論文公表にむけて解析、整理を進めた。また具体的実験としては以下の3つを行った。1.ポリ塩化ビフェニル(PCB)、特にヒトの体内で代謝され存在する中間代謝産物である水酸化PCBの神経系発達に与える影響の評価を行った。今回は2種類の異性体を選択した。ひとつは既に化学物質の性質として抗甲状腺ホルモン様作用を有すると知られている異性体(OHPCB106)、もうひとつは現在のヒトの血液、脳脊髄液中で高頻度、高濃度で検出される異性体(OHPCB187)である。OHPCB106については妊娠ラットに皮下埋没ポンプを用いて持続的曝露を行い次世代個体の脳における遺伝子発現を評価した。その結果このOHPCB106は生体脳の中でも甲状腺に制御されている遺伝子発現について抗甲状腺ホルモン様作用を示すこと、その結果グルタミン酸による神経伝達に不可欠な遺伝子の発現が撹乱されることを示した。またOHPCB187については初代培養神経細胞への曝露および新生仔ラットへの曝露を行い、同様に遺伝子発現を評価した結果、多数の遺伝子発現が撹乱され、興味深いことに新生仔曝露ではこの異性体も抗甲状腺ホルモン様作用が見られた。甲状腺ホルモンは神経系発達に不可欠な働きを有することを考えるとこの結果は重要な知見である。2.実験飼育下カニクイザル母体のPCB汚染程度と次世代個体の行動を検討した結果、いくつかの行動特性が母体の汚染程度と相関した。この結果は現在追加データと併せて検討中である。3.ジフェニルアルシン酸を妊娠カニクイザルに曝露し血中動態や残留性等の背景データを評価した後、次世代行動における評価をスタートした。被検物質による影響は現在のところ確認されていない。
All 2007 2006 2005 2004
All Journal Article (10 results)
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