Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
化学システムをマイクロチップ上に集積化する「化学反応の集積化」の応用として、細胞を利用したシステムについて研究を進めている。マイクロ・ナノデバイスを用いた新規培養・分化制御技術を開発することにより、複数種の細胞をマイクロ空間に高度に組織化させ、微細な組織構造を持った複雑なマイクロ臓器デバイスを実現することを目的としている。本年度は、マイクロチップ内で培養した細胞の分析・観察手法に重点を置いて研究を進めた。具体的には、スウェーデン・ウプサラ大学のMats Nilsson助教授のグループで開発されたパドロックプローブとRolling Circle Amplification(RCA)法を組み合わせた手法を応用し、細胞内の遺伝子解析や遺伝子発現状態を可視化する実験を行った。この方法は個々の細胞内のDNA単一分子や転写産物のその場解析が可能であることから、単一細胞の挙動や刺激をコントロールできるマイクロチップと組み合わせることで、従来不可能であった実験が可能になる。具体的には、マイクロチップ内に、DNAの塩基配列が1塩基異なる2種類のミトコンドリアDNAを持つ細胞(ヘテロプラズミック細胞)を培養し、パドロックプローブとRCA法を用いて細胞内の2種のミトコンドリアの分布を観察した。また、マイクロチップ内に細胞を培養し、DNA損傷を引き起こす薬物を流路の片側にのみ作用させ、その後パドロックプローブとRCA法でミトコンドリアDNAを可視化すると、薬剤が作用した部分のミトコンドリアDNAは検出されなくなるという結果を得た。この部分も通常のミトコンドリア検出色素では染色されることから、DNAの塩基配列の損傷を検出できていると考えられる。この結果はマイクロチップ分野の最大規模の学会「microTAS2006にて」口頭発表に採択された。
All 2006 2005 2004
All Journal Article (4 results)
Measurement Science and Technology 17
Pages: 3167-3167
Journal of Chromatogrphy A 印刷中
応用物理 74(5)
Pages: 623-623
Proceedings of micro total analysis system 2004
Pages: 777-777